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4月 19, 2004

「白浪五人男」二幕、三幕

休日のしめは歌舞伎。歌舞伎座の四月夜の部は通しで「白浪五人男」。いいとこの姫に化けて呉服屋を強請ろうとする弁天小僧が、正体バレて「知らざぁ言って聞かせやしょう」と居直る名場面が含まれている演目だ。通しでの上演は滅多にないとか。

千駄木から銀座に出たときには、一幕見席は二幕目が入場開始していた。「知らざぁ・・」が見れりゃいーかなーとも思ったが、二、三幕とも通して見ることにして切符を買う。列の最後尾にもかかわらず意外にも余裕で座れたが、来月の海老蔵襲名披露にはハンパない客が押し寄せることであろう。(私的には再来月の「外郎売」が見たい)

例のシーンは二幕目の冒頭で、姫とお付の侍に化けた弁天小僧とその泥棒仲間が、呉服屋「浜松屋」で架空の万引きをでっち上げ、店の手代に咎められポカスカやられたところで冤罪と明かして逆に賠償金をせしめようとする。衣類の万引きといえばウィノナ・ライダーだが、彼女にもこのくらいの居直りが欲しいところであった。
ところがたまたま居合わせた、鞍馬天狗みたいな頭巾を被った別の侍が姫が実は男であると看破し、化けの皮を剥がされた弁天小僧は逆に居直って煙草なんか吸い始める。店の者が「どこのウマのホネだ」と誰何すると弁天小僧は「おれの名を知らねぇ?」と言い返し、「知らざぁ・・」となるわけで、ここには客席からも「待ってました!」と声がかかる。ギャグもふんだんに盛り込まれ、実に楽しい。

この後の浜松屋の土蔵前シーンもかなり笑えるし、三幕の極楽寺屋根大立ち回りは一転して目まぐるしいアクションが楽しい。最初はなんだかじれったいくらいゆっくりやっていて「出初め式か!?」と思ったが、どんどん立ち回りがスピードアップしていく。
追い詰められていたはずの弁天小僧は押し寄せる捕方を全部屋根の上から放り投げてしまうのだけど、重大なものを無くしてしまったことを悔いて屋根上で切腹する。するとまさにハラキリ最中の弁天小僧が乗っかったまま、屋根がクイーッと舞台の仰向けに廻って倒れていき、一方舞台の下からスーッと親分の駄右衛門が居座る山門のセットが持ち上がって来たりする(「がんどう返し」と言うらしい)。こういう大仕掛けは初めて見たもので、そんなあたりも実に面白かった。
しかし、この話のオチはよく理解できん・・( ^ ^ ;)。

1月 23, 2004

「歌舞伎十八番の内・外郎売」 at 衛星劇場

朝飯など作りつつ、衛星劇場で「歌舞伎十八番の内・外郎売」見る。親の仇を討つべく、敵の工藤祐経に薬売りに化けて近づく曾我五郎、この薬が「初郎(ういろう)」というのだが、ここでいう外郎は一種の口中清涼剤で名古屋名物の菓子とは違うものらしい。一粒飲めば弁舌さわやかになるというので「じゃあオマエが飲んでみろ」と祐経らに言われた曾我五郎は薬を飲んで、どえらく長い早口ことばを述べ立てる。
この早口ことば、NHKの新人アナウンサーは必ずこれを練習させられるというが、かなりぶっ飛んだモノで聞いているだけでも面白い。全文が「歌舞伎のおはなし」に掲載されている。→これ
アナウンサーは大変だなあと思いつつ、こういうのを教程に取り入れてずっとやらせるNHKはエラいなぁと思わされる実に面白い早口ことばだ。

小山觀翁氏の解説によればこの芝居は「外郎」を実際に売っている薬屋の営業とタイアップした芝居だったそうである。歌舞伎が当たれば薬が売れる、広告キャンペーン歌舞伎というわけだ。
この薬である外郎は現在も販売されているようで、小山氏が番組の中で現在売っている外郎の箱を開封してみせた。画面で見る限りでは何か仁丹みたいな感じ。仁丹も口中清涼剤だろうから起源は似たようなところにあるのだろう。名古屋名物の外郎の方は「外郎餅」と言うのが正しいみたい

今回放送された「外郎売」でこの早口を述べていたのは市川新之助。めっちゃくちゃ流麗。スゴい。成田屋のホームページはこちら

1月 19, 2004

ヨハネス・イッテン展/「京鹿子娘二人道成寺」

 東京に所用で出てきた母と一緒に、東京国立近代美術館で開催中の「ヨハネス・イッテン展」を見に行く。ヨハネス・イッテンはバウハウス設立当初、生徒達に基礎コースを教え込んだ美術教師であり、画家だった人物である。
 造形、デザインの基礎を教えるのに不可欠な、色彩・形態・素材などについての彼の考え方があきらかになるような作品群と、イッテンの授業のなかで生徒たちがつくっていった作品群を交えながら紹介することで、「芸術家としてのイッテン」と「美術教育家/理論家としてのイッテン」とを同時に包括して見ることができるという、なかなか見ごたえのある展覧会だった。
 個人的に好きなのは、色彩のブロックを色調・明暗・大小など様々なやりかたで大量に組み合わせ大きな四角形を四つ作って、それぞれ「春」「夏」「秋」「冬」を表現するという作品。Webデザイン見本帳などによく出てくる季節感のカラーチャートなどを思い出させるが、確かに実用のための色彩理論を展開させたものとはいえ、立派に芸術作品として成立している。しかも、モンドリアンみたいな抽象作品とは違った温かみのある空間がほのめかされているように思える。
 イッテンは、造形はきちんとした訓練を行うことで「誰にでも身につけることができる」ものだと考えていたそうである。ルネサンスから現代に至る名画を材料に、絵の中で使われている色の質や量をチャート化したり、ジョルジョーネの絵のパーツを色のカタマリに変えてリライトしたりと、面白い試みがたくさんみられる。コントラストの勉強も色彩間だけではなく、繊維素材と金属素材の対比などにもおよび、ヒマワリの種をはりつけたテクスチャなどもあったりする。学生時代は美大生だった母によれば、こういうことは美大ではよくやらされた事だそうで、つまりイッテンは現代の美術教育の「家元」的存在ということなのだろう。
 そういう理論家的な部分の根幹に神秘思想家的な傾向があったというのも面白い。海野弘の「モダン・デザイン全史」を読むとなにやら相当宗教家チックな人のように書いてあるのだが、東洋思想への接近(日本人生徒への書簡で「さいきん禅のことを勉強しています」と書いたり、公案のように一筆書きでマルを描いた作品があったり)とか、ドイツの神秘思想家ヤコブ・ベーメの箴言をグラフィックデザイン化した作品があったりするあたりに、その片鱗が伺われる。展示されている書簡をよむ限りでは、なかなか人格的にはイイ人だったみたい。そうそう、一度も来日したことのないイッテンが日本を夢想しつつ作ったという絵には「幸福の島国」というタイトルが付されている。やはり色彩のブロックで構成されているのだが、とても穏やかな暖かいオーラを放つ作品で、ひごろ祖国愛のない私などですら、何かとても嬉しい気持ちになってしまった。

歌舞伎座一幕見席で「京鹿子娘二人道成寺」を見る。歌舞伎はそんなに見馴れてるわけではないためか、途中踊りが延々続くあたり少し退屈したが、クライマックスのあたりは囃子も物凄い速さ、踊りもかなりダイナミックでドキドキ、ワクワクさせられる。最後の蛇体化け&見得切りは圧巻。しかし白拍子二人が蛇体に化けるというので、着ぐるみでも被って出てくるのかと思ったが・・、道成寺の鐘の上で白拍子二人が見得を切る時のメイクが微妙に変わり、着物が蛇のウロコをあらわす柄に変わっている事をもって蛇を表現するのだとか。でも4階の一幕見席からじゃそんな微妙な変化は分からん。ちょっと髪房が垂れているのは分かったが。

晩飯は築地の寿司清。3度目だがやっぱりうまい。とにかくこの店では光物を食えという鉄則を学んだ。鯖、鯵あたりが実に味わい深い。