レディースデー呪怨/「甘い人生」「クライシス・オブ・アメリカ」/夕食@ミス・サイゴン→カラオケ
4時からユナイテッドシネマとしまえんでジョナサン・デミ監督「クライシス・オブ・アメリカ」を見、その後カラオケに行くという予定がたっていたので、その前にアンゲロプロスの「エレニの旅」を見よう!と思い、初回11:30に間に合うよう息せき切って日比谷にかけつけたところ、立ち見/立ち見/立ち見の上に券売窓口前には大行列という状況。
なんでも「レデースデー」なるものが世間にはありそれが毎週水曜日なのだそうで、5/4はGWど真ん中休日なこともあってこんな有り得ない混雑になっているようだ。
前売を買いに走る余裕などない時間に到着しているため、すでにして一般1800円払うしかない状態なのだが、それでバカみたいに並んだ上、立ちでアンゲロプロスのクソ長い映画を観るのは消耗だなと思い、別の選択肢としてアレハンドロ・アメナーバルの「海を飛ぶ夢」を観るのはどうだと思ったのだが、これは「エレニ」を更に上回るド混雑。ホトホトうんざり。これじゃ男子にとっては劇場行く気がレデュース(reduce:(vi) 減る; 減量する)する日である。
日比谷を後にして別の映画を見ようと銀座を徘徊する。
しかし銀座のハコはマリオンもどこも蛇がのたくったように行列ができあがっていて、まあシネパトスなら女コドモは出入りすまいとも思うものの、「レジェンド/三蔵法師の秘宝」のために東銀座方面まで行くのもダルい気がしてしまう。どうせ4時には行くのだからと豊島園に転進。ああ、ムダな回り道で電車賃使ってしまった・・。
1時20分ころにユナイテッドシネマとしまえんに着き、キム・ジウン監督の韓国ノワール「甘い人生」を見る。
「ビョン様」などと呼ばれて変なロマンス映画っぽいものとかに出てるイ・ビョンホン主演の映画だが、「甘い人生」に関してはもちろんノワール映画だから見たのであって別段ビョン様に興味があるわけではない。「甘い人生」ってタイトルは一種の皮肉で、内実は暗黒街血みどろバイオレンス映画である。
マフィア親玉の愛人である若い女性のお目付を言い付けられた凄腕の男がイ・ビョンホンの演じる主人公。もし女性が他の男と密通をしていたら、すぐに報告するか相手を始末しろと言い付けられていたビョンホンは、女性が恋人と一緒に居る現場を抑えて一度は親玉に報告をしようとするが、つい目こぼしをしてしまう。このことで男はそれまでの順調な暗黒街人生を踏み外し、一転して親玉の復讐を受けることになる・・。「暗黒街の顔役」ならジョージ・ラフトの役柄かな?
予告編からはバイオレンスの間にこの女性とのロマンスが描かれるのかと想像してしまうのだが、女性との心情的交流はほとんど描かれず、とにかく「韓国人ってやっぱ流血好きなのかな」と思わずにいられない血みどろ脳漿飛散バトルが展開する。もうちょっとで人間を生きながら解体しそうな勢いのシーンさえあったが、そこまで行くのは流石にヤバいと思ったか。この暴力と悲惨渦巻く中に時折ヒロインの思い出が顔を出すため、大した思い出でもない割に美しく見えるのが演出の妙。報われない愛情は本人にとって(だけは)美しいものなのだ。
ここでもやはりレデースデー故におばちゃんが押し寄せており、映画前半でビョン様の上半身裸カットに眼福眼福という雰囲気が漂いかなりキモかったのだが、後半一転して極悪流血惨事の連続に、「あらまぁ」「あー」と劇場のあちこちから嘆息が。(ザマミロ!と思ったのは内緒)
この監督、映画上手いなあと思うし数々の興味深いショットなどもあるのだけど、肝心のビョンホンがラストあたりで泣きじゃくるのがいただけない。いや、人間なのだから泣きじゃくってもいいんだろうけど、ここでそれやったら「甘い俳優」に見えてしまうと思うのだがどうだろう。ここでハードさが一気に弛んでしまった。
黒めのユーモアも各所に入っており笑わせてくれる。(★★★)
映画がはけた後豊島園駅前のベンチでしばらく読書などした後、しおぴーさん、りいさんと合流して再びユナイテッドシネマとしまえんでジョナサン・デミ監督「クライシス・オブ・アメリカ」を見る。
ジョン・フランケンハイマーの1962年作「影なき狙撃者」のリメーク。私はオリジナルは見ていないのだが世評は良いようだ。
暗号を電話なんかで言うと普段はふつうに生活してる人(実は洗脳されてる)が破壊活動を行なうってネタでは、他に「テレフォン」なんて面白いのもありました。今調べてみたらドン・シーゲル監督だったんですなー。
オリジナルは朝鮮戦争だが、こちらは湾岸戦争の戦功で英雄となった男が副大統領候補となりホワイトハウスに乗り込もうとする、しかしその湾岸での戦功は証言者たちに洗脳を施したことによるでっち上げであり、副大統領候補も母親の野望の道具として洗脳を受けたロボットに過ぎなかったという話。この母親がメリル・ストリープであり息子がリーヴ・シュレイバーというからかなりコワイ。リーヴ・シュレイバーのどことなく神経の細そうな顔だちって、あやつられて人殺ししそうな雰囲気あるからな−。
主人公のデンゼル・ワシントンも戦争後遺症+洗脳のために精神的に不安定であり、真相を追う過程でどんどん偏執狂的になっていく。ハタから見てると「タクシー・ドライバー」のデ・ニーロとあまり変わらん胡散臭さである。普通こういう映画では、不安定な主人公と対比して安定極まりないサブキャラが登場し観客をほっとさせるものだが、そういうキャラクターを一切配置しないジョナサン・デミは真性のS気質映画監督とみた。
ポリティカルサスペンスというよりサイコサスペンス、昔風にいうと神経衰弱系の映画である。(★★★)
一瞬「呪怨」よりコワく見えるカットなどもいくつかあった。
音楽は「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」のレイチェル・ポートマン。こんな仕事もするんですねえ。
終了後は渋谷に移動し、ベトナム料理屋「ミス・サイゴン」で夕食を食べてからカラオケに。


私は好きなように(特撮ソングとか)歌わせてもらいました。
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