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10月 04, 2015

2015年9月の読書まとめ

9月もバタバタが続き読書量少なめ。ようやく読了のトニー・ジャット「ヨーロッパ戦後史」、篠田英朗教授の「平和構築入門」が印象深い。

2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1468ページ
ナイス数:43ナイス

七つの会議七つの会議感想
池井戸潤の小説を読んできて、この作家が生彩を放つテーマの2つが「銀行」と「隠蔽」だなと感じるが(私見)、後者を正面から描いた大傑作「空飛ぶタイヤ」の陰画が本作といえるだろう。社内の複数の立場の組織人たちの視点を切替え、徐々に立ち現れる隠された事実を描く筆致は堂に入ったもの。筋の性質上、後ろ暗さを共有していたり、ただ組織政治の事しか考えていない話者が多いのだが、「腐ってんな~この会社」と心中毒づきつつも、まあ会社なぞどこも大なり小なり似たようなクソ傾向があるものかもしれん、という悲観的な共感をも喚起させる。
読了日:9月26日 著者:池井戸潤
CD付 現代語訳でよむ 日本の憲法CD付 現代語訳でよむ 日本の憲法感想
日本国憲法英文版(GHQ草案ではなく、改稿され公布された際に官報に掲載された正式な英文版)を、言うまでもない英文学翻訳の権威、柴田元幸氏が、まったく何の知識もない人がこの英文だけ読んだらどう解するか、という「宇宙人の視点」をもって訳したオルタナティブ版。ゆえに「House of Representatives」は「衆議院」でなく「代表者会」と訳されたり、より元の含意は何であるのかを窺わせるユニークなオルタナティブバージョンになっている。巻末の木村草太氏と柴田元幸氏の対談も極めて深く、面白い。
読了日:9月23日 著者:
ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005感想
ようやくこの大著を読了。EU化したヨーロッパの多民族社会への移行、知識人の没落、サッカーのユーロ化を述べて幕か…と思ったら、最後に立てられたエピローグ「死者の家から」では、著者自らのエスニシティでもあるユダヤ人たちにとっての戦後ヨーロッパ史が改めて総括される。自身はナチでなくともホロコーストに協力した時代はあった、というやましい歴史と非ドイツ人を含めたヨーロッパ人たちがどう顔を背け、やがて向き合ってきたかを述べる、これ単体でも感動的な小論。大著の終幕にふさわしい静かで誠実さに満ちた文章だった。
読了日:9月21日 著者:トニー・ジャット
騙されてたまるか 調査報道の裏側 (新潮新書)騙されてたまるか 調査報道の裏側 (新潮新書)感想
清水潔さんの新書。のっけからいきなり、ブラジルに逃亡した日系ブラジル人殺人犯を追い単身現地に突入。現地のテレビ局にこんな俺をネタにしろ、その代わりに取材に協力しろと申し出、ブラジル人ジャーナリストを巻き込みながら治安最悪の街へ分け入り逃走犯へのインタビューを試みる。圧倒的な面白さながら発表報道の宿唖を問い、調査報道は生産性が低いと自嘲しながらも「騙されない」ことの価値を述べる文章は何にも増して説得力に満ちている。最終章が特攻隊の取材記にあてられているのは示唆的だが、全編で最も心震わされる感動的な章だった。
読了日:9月19日 著者:清水潔
平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)感想
「『国家主権』という思想」の篠田英朗教授による国際社会による平和構築の取り組みを多面的に紹介する書。そもそも国際的な取り組みによってあらゆる国に平和を構築しうるという思想自体が歴史が浅く、失敗事例の山でありスタンダードの存在しない領域である事がよく分かる。我々の目に明らかな失敗事例と見えるイラクやアフガンの「国家再構築」の失敗事例も、それ以前の国連による平和構築の失敗事例の1つの反映とも言える。テーマの困難さもあり文体はあまり読みやすくはないが、非常に興味深く面白い。
読了日:9月16日 著者:篠田英朗

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