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6月 05, 2015

2015年5月の読書まとめ

古典古代づいてる最近で、プルタルコス、ギボン、岩明均と読んでいるが、5月のBESTの一冊はやはりアンドリュー・ナゴルスキ著「ヒトラーランド」か。これの余勢で稀代のやる夫スレ「やる夫がフューラーになるようです」も読んでしまった(むっちゃくちゃ面白かった)。ほかに、高野秀行「イスラム飲酒紀行」も安定の面白さ&知的刺激。

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5165ページ
ナイス数:70ナイス

ヒストリエ(9) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(9) (アフタヌーンKC)感想
ついにアテネ・テーベの連合軍とフィリッポス率いるマケドニア軍が直接対峙するカイロネイアの戦いに。テーベ伝統の斜線陣の効力と弱点がテーベの将軍自らの口から語られた上で、マケドニア主力を率いんとするアレクサンドロスが描かれて9巻了、うむむーすぐに続きが読みたくなるではないか。
読了日:5月31日 著者:岩明均

ヒストリエ(8) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(8) (アフタヌーンKC)感想
陸軍国マケドニアvs海軍国アテネの戦いがビザンティオンの地で展開。将軍フォーキオンの指揮するアテネ艦隊の展開が俯瞰視点で描かれる海戦シーンの画がすごいスペクタクル感あり、全巻の見所になっている。
読了日:5月31日 著者:岩明均

ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(7) (アフタヌーンKC)感想
いまさらといえばいまさらながら、昨今自分の中に来ている古典古代ブームに乗り、この稀代の天才漫画家によるアレクサンドロスの書記官「カルディアのエウメネス」伝を読んでいるんだが、もうとにかく死ぬほど面白くて巻を置く能わず。ちくま文庫版には入っていないがプルタルコスの対比列伝にもエウメネス伝が入ってるのだそうな。読みたい。
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(5) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(5) (アフタヌーンKC)
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(4) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(4) (アフタヌーンKC)
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(2) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(2) (アフタヌーンKC)
読了日:5月30日 著者:岩明均

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)
読了日:5月28日 著者:岩明均

イスラム飲酒紀行イスラム飲酒紀行感想
イスラム圏では酒はご法度…の筈が、「私は酒飲みである、休肝日はまだない」とうそぶく著者の執念の探索の結果、パキスタンやイランなど極めて敬虔なイメージのイスラム国家においてさえ、それと裏腹に教義を適当にやり過ごして酒飲んでる人々の実態があぶり出される。イスラムに対しあれは狂信だとかいや寛容の宗教なのだという2極化されたイメージがますます火花を散らしている昨今、人間の文化はそんな2項対立よりずっと豊潤な裾野を持っているのだという事が、イスラム圏の中の愛すべき酒飲みたちの姿を通し感得できる良著。
読了日:5月28日 著者:高野秀行

第三のローマ―イタリア統一からファシズムまで第三のローマ―イタリア統一からファシズムまで感想
引き続き藤澤房俊著のイタリア近現代史。古代のローマ、教会のローマに対して、近代イタリアにふさわしい人民のローマを作ろうというマッツィーニの「第三のローマ」論が、サヴォイア王家のもとのナショナリズムを経て、ムッソリーニのもとて「イタリア帝国のローマ」というイメージ装置に変わっていくまでを描く。統一イタリア王国の強固な反教権思想(イタリア王国軍が教皇軍を破りローマに進入した9/20が記念日として祝われてきた)が、ムッソリーニのもとでは「フリーメーソンの思想」として軽視されていく過程等も面白かった。
読了日:5月26日 著者:藤沢房俊

大理石の祖国―近代イタリアの国民形成大理石の祖国―近代イタリアの国民形成感想
イタリア近代史の第一人者による、リソルジメント後~ファシズム前期におけるイタリアの国民形成を巡る論考。明治維新とほぼ時代を同じくして近代国民国家として歩み出した統一イタリア王国におけるナショナリズム形成がいかに推移したかを、国王の行幸、ローマの記念堂建設等をめぐり描いていく。日本とイタリアはともに「遅れてきた近代国民国家形成」という困難なプロジェクトを進めてきた歴史を持っている。その成否・功罪に関し、近代天皇の行幸啓や靖国の成立といった我が国の事例と比較し考えるヒントが含まれた、個人的に興味深い本だった。
読了日:5月24日 著者:藤沢房俊

ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)感想
巨大組織の滅亡のメカニズムを知るならば、やはりローマ帝国だろう、と、遂に歴史書におけるこの超大作に着手。どんだけ大作かというと訳者のを含め、序文だけで6本も載ってる(笑)。第1巻はローマが栄華を極めた五賢帝時代から説き起こし、偉大な統治と洗練された軍制が語られるが、剣闘士皇帝コモドゥスの即位を皮切りに、愚劣だったり凶暴だったりな皇帝たちと面従腹背の権化の如きローマ軍によって坂道を転げ落ちるように衰えゆく帝国が語られる。1巻でもう衰亡してんじゃねえか!あと9巻どうやって持つんだ…と早くも続巻が気になる展開。
読了日:5月20日 著者:エドワードギボン

ムッソリーニとファシズム (文庫クセジュ (566))ムッソリーニとファシズム (文庫クセジュ (566))感想
ムッソリーニの思想についてまとまって書かれたものを読んだことがないので手に取ったが、本自体がファシズム史の梗概といった感じでムッソリーニ自身の内面にはあまり切り込まれておらず、機会主義的な人物だったのかなという印象のみ受ける。開戦前夜のイタリアが日本より一層貧しく、世界大戦など到底用意のない状況だった事は伝わってくる。彼の最期をめぐる記述で、参戦へ向かったムッソリーニの判断は裁判を通し分析されるべきであったが、パルチザンによる性急な処刑がそれを妨げてしまったという指摘があり、確かにそれはあるかもと思った。
読了日:5月17日 著者:ポール・ギショネ
ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)感想
なんと!イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を材にとったマンガが登場。名著「逝きし日の面影」で描かれる限りない憧憬にみちた明治初期の日本が堂々のマンガ化。通訳の快男児伊藤鶴吉とバードのやり取りも快調、パークス公使も大活躍で、英国冒険女子目線でともに「ふしぎの国 日本」を旅する感覚の良作。続刊も楽しみっつーか原作も読もうっと。それにしてもこれ例の日本自画自賛ブームから来てるんだとしたら、全般的にはクソみたいなブームだけどいい効果もあるな、など。
読了日:5月14日 著者:佐々大河

ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々感想
破格に面白い、ナチスがドイツの政権を獲り大戦を開始するまでを目撃したアメリカ人特派員、大使館員らの物語。政権獲得後も、ヒトラーには大した事などできないとか、政権を取った後はむしろ穏健になるだろうとか楽観視していた人は多かった。そのような見解を持っていたドイツ人達は、やがてアメリカ人たちの目の前から消えていく…。「我々は平和を望む」というナチスの嘘に騙された人々は、希望的観測を目前の事実にすり替えてしまっていたのだろう。同時代にあって歴史の流れを見ることの困難と教訓が詰まった圧巻の歴史ノンフィクション。
読了日:5月12日 著者:アンドリュー・ナゴルスキ

ファシストの戦争―世界史的文脈で読むエチオピア戦争ファシストの戦争―世界史的文脈で読むエチオピア戦争感想
ファシスト・イタリアによるエチオピア侵略戦争を素材に、イタリア現代史上の意義、国際政治史上の影響、文学表現にみる日中戦争との比較の3視点から論じる論文集。人口増大に悩む後発の帝国主義国家による植民地獲得戦争という意味において、帝国日本における満州・北支侵略とイタリアにおけるエチオピア侵略は近いものがあるが、実態としての差異を見ることで色々と興味深い知見を拾う事ができる。エチオピアは日本と同じ二千年帝国なりとして、頭山満ら右翼の一党がエチオピア同情論を掲げ反イタリア義勇兵を立ち上げようとした逸話等も面白い。
読了日:5月10日 著者:石田憲

「特高」経験者として伝えたいこと「特高」経験者として伝えたいこと感想
敗戦直前5ヶ月間、大阪府警の特高係として勤務していた経験を持つ著者による体験記。共産党系出版社から出ているが、淡々とした内容からはイデオロギー偏向等は感じられない。何しろ特高のキャリア自体が短い事もあろうが、圧倒的に語られる内容が地味なのだ。拷問にも陰謀にも携わっておらず、要注意人物と世間話をして日報に内容を書く程度。そんなヒラの特高係の日常業務の中には、それゆえ余計にリアルに当時の思想統制の剥き出しの姿が垣間見える。学校に行って朝鮮人学生の成績は低めにつけるよう指示する等…何てセコいんだ!と驚かされる。
読了日:5月8日 著者:井形正寿

プルタルコス英雄伝〈中〉 (ちくま学芸文庫)プルタルコス英雄伝〈中〉 (ちくま学芸文庫)感想
下→上ときて中巻読了。本巻で印象に残るのはローマの民衆を救う改革を行い挫折したティベリウスとガイウスのグラックス兄弟。兵士として国のために戦った貧民たちは、富豪により土地を奪われ、農園での労働も戦争奴隷が使われ職もない。そのような状況を憂い土地改革を起こそうとするティベリウスだが、反対派の人々により「壊した腰掛の足」(妙にディティール細かい)で撲殺される。ガイウスは、広場で行われる剣闘士試合の周りに有料観覧席を建てて金儲けしようとする富豪に反対し席を破壊して恨みを買う。当時既にそんな商売がwと妙に感心。
読了日:5月5日 著者:プルタルコス,Ploutarchos

ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)感想
「タルト・タタンの夢」につづく、ビストロ・パ・マル シリーズ。今回は三舟シェフ修業時代のフランスを舞台にしたストーリーも2編ほどおさめられている。安定した居心地よさを醸し出す短編集。このお店が本当にあったら、行きたいな~、というのは小説を読んだ人万人が思うところだろう。
読了日:5月3日 著者:近藤史恵

読書メーター

5月 31, 2015

「私の少女」(83点)チョン・ジュリ監督

ペ・ドゥナ演じるソウルのエリート女性警官が、とある問題により地方の漁村の警察署へ所長として転任してくる。村人同士の目線が交錯する狭いコミュニティは、この所長にとっては少し重荷に感じられるものだ。
高齢化がすすみ若い働き手の欠乏しているこの村では、東南アジアやインドからの出稼ぎ者、朝鮮族などの外からの労働者を入れているのだが、この労働者の周旋役をしている男と所長とはやがて対立するようになる。そのきっかけとなったのは、この男と暮らしながら、日々家庭内暴力を受けている苛められっ子の少女だった。所長はこの少女を理不尽な暴力から救うために手を差し伸べる。たしかに、最初はそんなきっかけに過ぎなかったのだが…。
はっきりした輪郭をもって描かれるキャラクターと分かり易い一本線のストーリーラインで構成される映画、それと、幾つもの顔を持ち選択肢をまさぐりつづけるキャラクターによって担われ常に展開が揺れ動くストーリーの映画、二つに分けるとするなら、この映画は明らかに後者であり、映画を見たもの同士で語り合うのが楽しいのもまた後者である。そしてペ・ドゥナこそは、この映画が描き出す惑乱にみちた心理サスペンスとでも言うべきストーリーを担う上で、他に並ぶ者のない味わいを醸し出している。
たとえば、自宅のキッチンテーブルに一人向き合い、韓国警察の制服上衣のボタンを全て外し、コントレックスみたいなミネラルウォーターのペットボトルに移し替えられた韓国焼酎をコップに注いではグイグイ飲み続けるペ・ドゥナである。何とも独特な色っぽさだが、そも何ゆえに焼酎をミネラルウォーターのボトルに移し替えないとダメなのかは一切説明されることはない。これを敢えて観客の想像に任された余地と考えるのか、単なる説明不足と取るのかによってこの映画を楽しめるかどうかがかなり変わってくるだろう。そのような余地をふんだんに残しながらも、ハラハラさせられるようなサスペンス演出(それが、田舎の床屋に入ってくるおばちゃん連中の当てつけがましい会話などで演出されるのがまた良い)により興味の持続はしっかり図られているあたり、流石は稀代の映画作家イ・チャンドンのプロデュース作といえるだろう。バーベット・シュローダー監督の「ルームメイト」に戦慄した観客ならば「ああこのような話か」と予想する瞬間が訪れると思われるが、それはこの映画が用意するいくつかの迷い道の一つにすぎない。観客は、まさに惑乱するペ・ドゥナと同等の目線からに、映画がどちらに進んでしまうのかをハラハラしながら見守ることになる。
展開の合理性において無理があるのではと思う部分もないではないのだが、映画を見ている間の楽しさ、そして見た後に「あれはこういう事なのではないか」という語りの喚起力においても優れた良作だったと思う。農漁村の不法労働といった社会性もしっかり盛り込まれている。

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