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5月 23, 2015

「チャッピー」(80点)ニール・ブロムカンプ監督

いやー、とにかくクラスター爆弾の威力に「やりすぎだろ!」と爆笑しながら興奮して上で劇場出て、奥さんに「『第9地区』と同じ話だった」と言われ「そっ…それは確かに」と自分がチャッピーだったら2本のアンテナを寝かせる感じにテンション下がってしまったw。やはり超強力武器使用シーンにテもなくはしゃいでしまうのは男子の偽らざるサガという事だろうか。
実際、人間よりもヒューマンといえるエビ型宇宙人に文字通り移入していく「第9地区」のストーリーと、AIが切り開いた意識の再インストールの領域にダイブする「チャッピー」のストーリーはその「人間ぎらい」の主な筋立てにおいて極めて類似していると言える。いや、荒廃したヨハネスブルグ、軍需産業のエゴ、その産業を担う一員が逸脱していく主筋、どうしようもないアウトローたち(同じ人たちがやってんのかと思った)など、「第9地区」の再説と呼ばれる要素ばかりだとさえも言える。導入部分がTV番組映像である事まで一緒であり、前回と違うのは番組アンカーがCNNのアンダーソン・クーパーである事くらいだ(笑)。
しかし、どんなに良くできた世界観とは言え、全く同じ話を語り直すだけではこんなに引き込まれる映画にはならなかっただろう。今回の魅力はアウトローのエゴが乱れ飛ぶ極限状況の中に、赤ん坊のように未書き込みのAIであるチャッピーが産み落とされ、成長物語の要素が投入されていること。しかもこの成長が「イノセントな知性がエゴに塗れた人間を恥じ入らせる」といったような説教じみた紋切型には一切なっていない事が面白さを醸し出している。
チャッピーという人工の知性は反抗期や裏切りを経て「生き残るためならば何でもしよう」といういかにも人間らしいエゴを獲得していく。そして、このエゴはいずれ罰を受ける罪深いものとして描かれるのではなく、周囲の人間たちのやはり自分勝手なエゴとの葛藤により、ストーリーを思わぬ方向に転進させていくのだ。そしてこの増大する人間らしいエゴが最後に提示する、いかにも人間では思いもよらない結論は、確かにこの種のピノキオ的、フランケンシュタイン的なストーリー類型を一階層アップデートするものなのではないだろうか。

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