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4月 29, 2015

「愛して飲んで歌って」(82点)アラン・レネ監督

難解ではない。しかし、とにかく異様。舞台劇のようなものと思っても、割り切れない不可思議演出にハマらざるを得ない一本

レネの映画はこれまでずっと敬遠していて、遺作となったこの映画がはじめての鑑賞。GW1日めの休日午前に新宿に出たら目当ての映画がことごとく満席でたまたま時間が合ったというだけの理由で観たのだけど、こういう巡り合わせで面白い映画に出会えた時というのは事のほか嬉しくなるもの、という経験則を上書きする鑑賞になった。
なにしろ、あの晦渋きわまる小説家ロブ=グリエの脚本による映画で最も有名なレネ監督である、とんでもなく難解で一体どんな筋なんだかさっぱり分からん映画を見せられるのではないのか!?と若干身構えながら見たわけなのだが、その心配は杞憂に終わった。
少なくとも表層的な映画のストーリーは、ガンを宣告された元プレイボーイ、ジョルジュ…この本人は一切画面には登場しない…をめぐり、友人家族や別居中の妻、その新しい恋人といった少ない登場人物たちが、彼の運命に泣き叫んだり、焼けぼっくいに再点火して言い寄ったり、田舎芝居の稽古に精を出したりするといった具合で、難解な部分は一切ないし、いつの間にやら女性キャラ同士でジョルジュの取り合いに発展するあたり、益体もないながら誰がプレイボーイを射止めるのかそれなりのサスペンスが仕掛けられたストーリーになっており興味の持続は図られている。セリフ回しも思わずクスクスとさせられるもので、演じる役者の芸達者ぶりもあって中々楽しめるものだ。
しかしこの映画に観客が魅了されるのはそのストーリーというよりは、その奇妙な演出である。まず、上記のジョルジュを巡る3カップルの男女以外は一切画面に登場しない舞台劇的演出は映画全編に渡っており、まるで教育テレビのセットのような書き割りの建物の前で演技が展開するのだが、一番最初に画面に登場する男性は、舞台ではあり得ない特撮演出で、じんわりと画面に染み出るように誰もいない空間から出現する。
お、これは幽霊等の超自然的存在が活躍する話なのか?と思うと一切そのようなことはなく、特撮演出で登場するパターンはこの男性以降には全くない。ほとんどの画面転換はイギリスのヨーク市郊外の住宅をイラスト化した画にズームインする形で行われるが、時折、実際のイギリスの田舎道をヘッドライトをつけた車が走る形でも行われ、それがどこからどこへ行く車なのかは良く分からない。格別に変なのは登場人物たちがもめている時にひょっこりと芝生の下から貌を出すモグラのぬいぐるみ。何の説明もないし、中途半端なデフォルメがむしろ可愛くないという代物。何よりこの映画「愛して飲んで歌って」ってタイトルで、フランス語の原題を見ても確かにそのままの訳出っぽいんだが、愛の話でもあり飲み会のシーンも出てくるものの、歌なんか一回も歌うシーンは出てこない…いったいこの変としか言いようのない演出の数々は何なのか?
正直に言って現在のところ説明はし難いながらも、見た後の眼底にやたらと引っかかり続けるこれらのイメージが、この映画を印象的なものにしている。ライトに観ることが可能ながらも、不思議な演出手法が呼び起こすズレ感覚をも楽しむことができる拾い物。レネの他の映画もうっかり見てみたい気になった。

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