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5月 02, 2014

2014年4月に見た映画のまとめ

4月、採点順に並べたときの堂々1位はとっても地味かつ滋味あふれるTVドキュメンタリー、『夢は牛のお医者さん』!これ絶対いいので沢山の人に見てほしい一本です。あとはビデオ鑑賞だがソレンティーノの『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』かな~。あのイケメンコーラスグループとは何の関係もないのでお間違えなく。ハードなポリティカルドラマです。

『夢は牛のお医者さん』(89点)

1986年から撮り続けられた実際の映像だけが持つ説得力と感動に満ちた、一人の少女のビルドゥイングスドキュメンタリー。

新潟を襲った中越地震、山古志村の崩落した崖下や泥濘の中から救い出された家畜の牛たちが、ヘリコプターで運搬されていく。
 牛たちの救出の前線に果敢に立つ一人の女性獣医。地域の畜産を支え、農家の男たちに頼られるプロフェッショナルの彼女は、小学校三年生の女の子だった1987年、山の小学校の転校生として入ってきた3匹の子牛たちの世話を通して「牛たちが病気になったら私が治してあげる」と、獣医になる夢を語っていた。
 この映画は、その小学校3年生のころのVTRから、26年後の獣医として活躍する現在まで、すべて実際の映像記録でつづられた夢の軌跡である。
 日テレ系の地方局、テレビ新潟が少女の成長過程の節々で記録してきた映像は、まさに生の記録の積み上げであるからこそ持ち得る説得力と、独自の感動に満ちている。また表だって主張されるものではないのだが、この少女が努力に努力を重ねて夢を実現する軌跡を撮り続けた、テレビ新潟のテレビマンたちの眼差しもまた、感動を呼ぶものでもある。
 企画の出発点となった「牛の卒業式」は27年前の徳光さんをして「初めて泣いたテレビ番組」と言わしめたものだそうだが、その時限りの涙を絞る番組というのはいくらもある。しかし、26年にわたって無名の少女を追い続けたゆえに初めて生まれる感動と説得力を持ったテレビ番組などというものには、なかなかお目にかかれるものではない。映像も、テレビ技術の進化に伴ってアナログVTRからデジタルHDへ移行していくが、この映像の進化と少女の成長の過程がまるでシンクロしてでもいるかのようで、独特の感慨がある。
 夢を胸に秘めているすべての女の子たちや、テレビマン…なかんずく地方ローカル局やケーブルテレビ局の制作に従事するすべての人に見てほしいと思う。

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『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(88点)

イタリア現代史の闇将軍アンドレオッティを鮮烈な映像タッチで描いた力作。ソレンティーノ天才!


1970年生まれのパオロ・ソレンティーノ監督はこの作品がカンヌ映画祭で評価され、ショーン・ペンを主演に迎えて「きっと、ここが帰る場所」なんて映画も撮るようになったフレッシュな映画監督だが、そんな彼の出世作が重厚な政治ドラマというのが、日本からみるとなんとも破格である。
マフィア癒着と汚職、アルド・モロ誘拐暗殺事件への黙殺、反共右翼秘密結社ロッジァP2事件などなどへの関与を取り沙汰される、戦後イタリア政治の闇将軍ジュリオ・アンドレオッティ元首相がまだ生きてる間に公開されたこの映画、角栄が生きてるときにロッキード事件の映画撮る程度のこととはレベルがあまりにも違いすぎる大冒険だったのではないか。なんせ、ファルコーネ判事を500kgのTNT火薬で爆殺したシチリア・マフィアのボスとアンドレオッティとの交流なんかも描かれるし、その他アンドレオッティを巡る様々な事件により築かれた死体の山もテロップ(この表示のしかたが凝ってて面白い)つきでも描かれる。しかも、ソレンティーノ監督はかならずしも鈍色の重々しい雰囲気で映像を染め上げるのではなく、ときにポップ、ときに重厚、ときにユーモアあふれる融通無碍なタッチで、この闇の王の横顔を描いていく。とくに面白いのはアンドレオッティを演じるトニ・セルヴィッロの演技で、常に肩をすくめて猫背ぎみ、足を閉じながらちまちまと動く動きは、なんだかヨーロッパの教会の上の方についてるガーゴイルのような風貌。7期めの組閣に成功したアンドレオッティは宮殿の中をこのガーゴイル歩きでちまちま進んでいくのだが、衛兵がズラリと並ぶ広間の真ん中で、なぜか一匹の猫が邪魔をするように座っているのに出くわし、しばらくジッと対峙したのち、ひとり神経質そうに手を叩いて猫を追おうと試みるシーンがある。これなんかは見てると思わず笑ってしまうのだが、気難しい空気を身にまとって周囲を遠ざける孤独な権力者のスケッチになっていて、とても才気のある監督なんだなあと感心してしまう。構図も音楽の使い方も天才的で、この一作見てすっかり気に入ってしまった。トニ・セルヴィッロとソレンティーノ監督のコンビは今年のイタリア映画祭でもお目見えする最新作「グレート・ビューティー 追憶のローマ」でも復活しているようなので、こちらもぜひぜひ見てみたい。

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『ダラス・バイヤーズクラブ』(82点)

マコノヒーとジャレッド・レトの掛け合いが清々しい佳品。ジェニファー・ガーナ―も可愛い。

荒くれ牛のロデオなどに挑戦するマッチョイズムの塊のようなテキサス男が、HIV感染発覚をきっかけに末期HIV患者の延命のための違法薬品流通に手を染める。まあカネ目当ても多分にあったであろう彼の行動はやがて、製薬会社と結びついた国の薬事行政との直接対決をも志向していくのだった…。

マシュー・マコノヒー演じるテキサス男は、病気発覚前後あたりはもうとにかくゲイ差別の鼻持ちならない男なのだが、自らの病を深刻に受け止め、HIV患者たちに薬を流すようになったあと…も、基本的には乱暴であまり変わってないように一見すると見える(笑)しかし実際には、江戸っ子は五月の鯉の吹き流し、口先ばかりで腸はなし…といった感じで、ゲイに悪口を並べつつも、心の底ではHIV患者同士の連帯感を大切にしていたりするところが、ふと頭を出したりするシーンがあり、これが実にうまいのですね。ジャレッド・レトが演じるゲイのレイヨンとスーパーに買い物に行って、レイヨンが加工肉製品を買ったりすると「バッカ野郎、もっとヘルシーなものを食いやがれ」と棚に戻させたりするあたり、乱暴なのに超気づかってんじゃねえかお前wwwという感じで。この後にとても感動的なシーンがあるのだけど、ジャレッド・レトのとても印象的な表情も含めてこのスーパーのくだりだけで映画見た甲斐あり。
表情といえばジェニファー・ガーナ―も、マコノヒーにとても共感するんだけど立場的に肯定できないという板挟みの困り顔演技がキュートで良かった。マコノヒーとジャレッド・レトのどつき合い的掛け合いが素晴らしいメインディッシュになっている映画ではあるのだが、彼女にとってもステップアップの作品になるのではないか。
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『ゴモラ』(80点)

ナポリってちょっと郊外出るとこんななのね…世界最大級の犯罪組織カモッラが支配する世界でうごめく底辺の人々を描いたノワール。

 


新婚旅行の最後にナポリに行ったが、泊まったのは観光客しかいないサンタルチア地区だし、スリなどで悪名高い繁華街はかなり速足で通り過ぎる感じにしていた。しかし、スリなんてのは可愛い話で、ちょっと郊外出るとこんなヤバい地域が広がってるのね…。
ナポリを拠点とし、シチリアのコーザ・ノストラ等と並びイタリア4大犯罪組織といわれる「カモッラ」。この映画はカモッラの支配する影の世界の中で出口のない人生を送る底辺の人々の話である。複数のストーリーが並行して語られるが、大半の話はナポリの中心街を北に行ったとこにある、巨大な集合住宅が立ち並ぶスカンピア地区という所で展開する。巨艦のようなマンションはどれも薄汚れ、燃えて焼け焦げた痕が刻印されている。屋上には組織の男たちがうろつき、外部からの来訪者(とくにパトカー)の接近を逐一監視している。スカンピアはイタリア国内の麻薬取引の大半がこの中で行われているという地区でもあるのだ。
イタリアの組織犯罪ものというと、血の掟とか復讐とか国家との争いとか想像してしまうが、この映画で描かれるのはそんなカッコつけたものではない。弱者を徹底的に食い物にする汚い産廃投棄ビジネス、気が遠くなるほど頭悪い男たちの抗争に巻き込まれて命を落としていく女性、なんのロールモデルもない閉じられたスラムワールドの中で当然のようにカモッラの末端に巻き取られていく子供たち…といった、底辺の世界で展開するどうしようもない南イタリア社会の現状である。産廃投棄ビジネスの渦中にいることに耐えられなくなった青年が上司に言う「これが人助けだって?北で一人助けて南で一家族を皆殺しにするんじゃないのか」というセリフは、イタリア社会がそのまま地球レベルの南北問題の縮図であることさえも示唆しているのかもしれない。
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2014年4月に読んだ本のまとめ

4月は他にいろいろあって読書にそんなに時間割けてない感じ。読んだ中では「日本の聖域」がじつに圧巻でした。

2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1561ページ
ナイス数:41ナイス

ハッピーネガティブマリッジ 5 (ヤングキングコミックス)ハッピーネガティブマリッジ 5 (ヤングキングコミックス)感想
ついに完結巻!めんどくさい二人が互いのめんどくささを引き受けあって人生やっていける関係になれた(つまりそれがマリッジという関係性だというメッセージだろう)ようで、良かった良かった。それにしてもヒロイン志麻子さんの髪型の表現、いいな~。
読了日:4月21日 著者:甘詰留太

日本の聖域 (新潮文庫)日本の聖域 (新潮文庫)感想
会員制情報誌「選択」の名物連載で、知られざる日本の利権や特殊組織にメスを入れるルポ。「国連大学」などの確かにアレ何なの記事から、児童相談所や日本相撲協会など掲載後に問題化したり、検屍制度に関る「死因究明二法」成立など具体的改善がみられた件も。パンチラインが強烈で「現代日本は生きていれば先進医療が受けられるが心臓止まると江戸時代(検屍制度)」とか、「日本忖度協会と揶揄される程上司の顔色を伺うヒラメ人間が跋扈(NHK)」とか笑うが、医系技官や精神鑑定など、慄然とさせられる実態が続々暴露され義憤湧き起る。必読。
読了日:4月19日 著者:

皆殺し映画通信皆殺し映画通信感想
柳下さんの「永遠の0」評を読みたくて買った。
染谷将太の井上真央へのアプローチが相当おかしい点などには柳下さんも触れており納得。
ほか、異様な映画「いのちの林檎」についての報告や、『電話の会話をすべてオウム返しにする日本映画にしか出てこない喋り方』などの表現が笑えたりもするのだが、やはり何というか、大半が全くつまらない映画の話を延々と読むのはやはり辛かった。
読了日:4月15日 著者:柳下毅一郎

もやしもん(13)<完> (イブニングKC)もやしもん(13)<完> (イブニングKC)感想
どうかな~と思った時もあったけど、総じて楽しかった!良いマンガでした。
読了日:4月12日 著者:石川雅之

仕事に効く 教養としての「世界史」仕事に効く 教養としての「世界史」感想
ライフネット生命の出口さんによる世界史講義。センター試験の穴埋め問題ができるかどうかがゴールになっているような学校世界史をいくらやっても何の役にも立たないのは事実で、呪文じみた単語を無闇に暗記するのが楽しい私の様なひねくれ者の独壇場となるwが、一方で教養として生きる歴史知識とは、文明への批判精神とか、んな壮大じゃなくとも身近な常識とか伝統とかいったものが実はめちゃ最近できた相対的なものじゃんと見抜ける、その根拠として発射可能な状態で脳内弾倉に装填されてるものなんだなと思った。
読了日:4月9日 著者:出口治明

白竜LEGEND原子力マフィア編 下 (ニチブンコミックス)白竜LEGEND原子力マフィア編 下 (ニチブンコミックス)感想
いやー、漫画ゴラク的な展開と言わざるを得ないが、いずれにせよ東日本大震災の直前にこの話書いてたってのは凄い話。
読了日:4月6日 著者:天王寺大

白竜LEGEND 原子力マフィア編(上) (ニチブン・コミックス)白竜LEGEND 原子力マフィア編(上) (ニチブン・コミックス)感想
巨大電力会社による原子力利権の闇に「大きなシノギの匂いがするな…」と切り込んでいく白竜。東電の人が読んだら激怒するんだろうし、原発の下に活断層が存在する事実を封じ込めるためにヒットマンが放たれるなんてこともあり得ねえだろう、そもそも原発作業員の周旋にはヤクザが密接に絡んでると聞くが原発内部の待遇を聞いてビックリするとは何故?!などと笑いながら読む感じだが、面白いから仕様がない。。
読了日:4月6日 著者:天王寺大,渡辺みちお

オンノジ (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス)オンノジ (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス)感想
ある日突然誰もいなくなった、マリー・セレスト号状況の世界をさ迷う少女と、謎のフラミンゴとの笑える会話で展開する、ほのぼのディストピア4コマという凄シチュエーションのマンガ。親父ギャグ的な川柳を案出するのが好きな女の子のひねた可愛さと何もなくなった世界の切なさがツイスト、他にない味わいの傑作。
読了日:4月6日 著者:施川ユウキ

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