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8月 01, 2013

2013年7月に見た映画

鑑賞メーターは塩漬けにすることにして、キネ旬が提供するサービス「KINENOTE」へ映画レビューは移行。7月のベストは「選挙2」と「風立ちぬ」ほぼ同点首位くらい。しかし7月に見た映画はどれもおもしろかった。

「風立ちぬ」(★4.6)
 └レビュー「反戦・好戦どちらでもない、オープンな目線であの時代の中の人々を語ってかつ圧倒的な美しさ。宮崎アニメの新たな傑作。」

(8/4再鑑賞。何点か記憶違いがあったので訂正した。)
まるで現代に作られたとは思えない純愛ラブストーリーの主筋をみて、時代遅れのお祖父さんが年寄りの冷や水的に作った反戦映画なのかな、とかと思って見ると、いい意味で裏切られる。
これは様々な語り方にむけて開かれた映画であり、反戦とか好戦とかいったイデオロギー的フレームづけ・類型づけを嫌う、非常に作家性の高い日本映画だと思う。
徹頭徹尾、時代の中で自らの夢を追求した一個人の心象風景を描くことにこだわったこの映画の中で、戦争ははるか遠景にある。予告編で何度も映ったショットだが、空母での着艦訓練を見学した帰りの主人公堀越二郎は、沖合に浮かぶ戦艦の方へは視線を向けることなく、まっすぐに自分の進行方向だけを見つめている。
同僚との会話や避暑地で語りかけてくるドイツ人の言葉の中に戦争の足音らしきものを感じ取らぬことはない。しかし、むしろ圧倒的にリアルに目の前に広がっているのは、名古屋駅前での銀行の取り付け騒ぎ、職を求めて線路上を危険も顧みずにさまよう人々、お菓子シベリアを与えようとすると逃げ出す子供たちといった、不景気と貧しさに包まれた日本というイメージだ。(対象的に、列車の車窓のむこうに広がる油絵調に描かれた水耕地帯や民家の佇まいはこれまで見たどのアニメよりも美しく、耽美的でさえある。私たち観客にとっては失われたこの美しい日本のビジョンはため息が出るようなものなのだが、これも主人公にとっては遠景でしかない)
いっぽうで、頻繁に登場するイタリアの航空技術者カプローニ伯爵、ドイツのユンカース博士、そして極めて魅力的な同僚の本庄や上司の黒川などとの交流は、夢を追い技術を磨く者同士の敬意に溢れ、生き生きとしたものだ。
日本を包んでいた貧しさや社会の暗さに対して、一市民としての堀越は無力である…子供たちに受け取られなかった菓子シベリアに象徴されるように。しかしそれに対して航空技術者としての堀越にはチャンスが与えられ、彼も圧倒的センスでチャンスに応えることにより、幼少の頃から夢見てきた理想の飛行機を具現化する道程を積み上げていく。

「軍国への道をひた走る日本」という大きな歴史の構図ははるか空中のものであり、人々が向き合っている社会は、通ってる工場やら設計室やらシベリアを売ってるお菓子屋やらである。戦争時代でも特別なことはない、人々は目前の生活や状況と組み合いながら、それぞれの夢を見て生きていく。この映画が語ろうとしている目線の足場はこうの史代作の素晴らしい漫画「この世界の片隅に」に近いのかもしれない。(登場人物たちの生活レベル等はもちろんかなり異なるが…)
そして、菜穂子との再会が訪れる。彼が、カプローニ伯爵との夢に登場した白い飛行機をかたどった紙ヒコーキで菜穂子と戯れるシーンは、やはりこの映画におけるクライマックスといってもよいシーンだったと全編を観たあとは思う。彼の理想の飛行機は、少年の夢のころは自由な空想に支えられた鳥のような姿をしているが、徐々に具体的な飛行機の形を形作りはじめる、そして菜穂子との戯れで使われる紙ヒコーキは、カプローニとの夢で出てきた白い飛行機と同様に、後に登場する試作戦闘機の特徴でもある途中から跳ね上がった形状の翼(逆ガル翼)を持っている。
貧しさの中で夢を追う技術者の心の道程と、そしてかつて震災の中で触れ合った男女の、互いを想い支え合う愛。これは美しい結節であると同時に、技術がみせる「美しくも呪われた夢」そしてそれを支える愛の結実が、やがて兵器に昇華する事を予告する残酷なシーンでもあったのではないか。
その後の展開はもはや涙なくして見られない。ゼロ戦の開発者である堀越二郎をモチーフにすることで当然予想される世界最強の艦上戦闘機の栄光と悲劇については、この映画はほぼ語ることがない。それらを語ることは「反戦」や「愛国」や「技術を間違った方に生かす人間の愚かさ」といったありがちなテーマ設定を観客に押し付けるだけだと監督は思っているのだろう。その代わりに監督が示したのは、意欲と才能にあふれる好人物と美しい夢、そして心優しい妻と支えあう愛情があり、彼らは一生懸命に生きた、そして全ては最も能力の高い兵器の形で結晶した…これをどう思い、どう語るのかという問い掛けである。
 しかし、「あれが君のゼロか」というカプローニの視線の先に、次々と高速で飛び去り、何千とも見える白き機影の中へとあたかも墓標のように空に吸われていく零戦をみて、これが好戦映画だと思う者がいるならば、それはあまりにも映画をみる回路の欠けた人だろう。

堂々とした映画よりも映画らしい劇場アニメであり、またジブリの新作というより「日本映画の傑作」として見られるべき映画である。

「ハングオーバー!!! 最後の反省会」(★3)
 └レビュー「笑ったは笑ったが、普通の映画になってた。

今回のハングオーバーは、2までで鉄壁のベタ展開にしていた二日酔い目覚めからの謎解き流れを封印。それはいいのだが、かわりの仕掛けがあるかというと特にはなく、オーソドックスにアランの成長物語になっていて、ファンサービスとしては嬉しいのだがシリーズ未見の人には「普通じゃん?」感が強いものになりそう。最も盛り上がったのは頭のキリンのシーン。

「3人のアンヌ」(★3.9)
 └「韓国の田舎の風景を通奏低音に、感情の機微の変奏曲を奏でていくような佳作。

ホン・サンス監督の映画は初見。生活に悩みを抱えているらしい脚本家が、なんだか干した魚の匂いがしてきそうな韓国の田舎の海岸のペンションで3本の脚本のアイデアを書き散らす。この3本のシナリオがそのままこの映画のストーリーとなる。
舞台となるペンションにイザベル・ユペール演じるフランス人が様々な役どころでやってきて、ペンションの女の子に地域の見所として灯台を案内され、海岸の便所の前のテントに寝泊まりしている朴訥なライフガードの男に出会い、そして別れるという主筋はすべて共通。3つの話は少しずつシチュエーションを変えながらも、完全に共通した幾つかの場面(ペンションの女の子に傘を借り、途中まで買い物につきあう、海岸に出ると他に誰も泳いでない海を必死すぎるクロールでライフガードの男が泳いでいて、あがってくるとこれまた必死すぎる英語でイザベル・ユペールと会話する)を挟みながらも、周囲を取り巻くキャラクターと彼らが引き起こすエピソードを巧みに変奏しながら、イザベル・ユペールとライフガードの男の心理的距離を少しずつ近づけていく。観客は繰り返される微笑ましい会話によりすっかりこのライフガードの男の朴訥さが好きになっているので、彼のオレンジ色のTシャツが画面に映るだけでなんだか「がんばれよお前」という感情が起きてくるから面白い。そして最後の話では…。
干潟での不倫キスモロばれ等の地味だが印象的すぎるシーンの数々や、ユペールに近づくライフガードの男について「ああいう韓国の男には近づかない方がいい、我々とは違う」などとのたまう映画関係者のキャラを通したインテリ層批評など、ただのアート映画では割り切れない面白みも交えた佳作。他のホン・サンス作品への興味も湧いた。

「モンスターズ・ユニバーシティ」(★3.9)
 └「とってもかわいい子どもお化けからモンスター級にデキる大人へ成長するマイクが眩しい、正調青春映画。 」

背が低すぎて可愛すぎる一つ眼オバケのマイクが、夢に向かって「怖がらせ学」の最高学府に入学し、人生の友となるサリーと出会うストーリー。ミソっ子にされてる子供時代の描写が泣かせる〜。サークル同士のスクールカースト的描写など、ジョン・ヒューズあたりの学校映画をお化けでやってるだけじゃねえのという見方もあろうが、ハリーポッターより余程面白い仕掛けに満ちたサークル同士の怖がらせ大会(あの図書館司書・・・)、そしてクライマックスのあの展開など、どうなるどうなると手に汗を握らされたし、新鮮味に欠けるという見方は当たらないと思う。
マイクとサリーとのお互いの成長、子供のころの夢との別れ、ホンワカ仲間たちの(何がテントウ虫じゃw)キャッキャしたドツキ合など、青春映画に必要な要素はすべて詰まった良作でありました。

「選挙2」(★4.8)
 └山さんLOVE!そしてデモクラシーへの挑戦に耐えて撮り続けた監督に拍手。

前作「選挙」は自民党のガッチリ組み上がった選挙運動のしきたりの中でヒーコラ状態でがんばる候補者山さんの姿をただただ観察する、という、監督の主張する観察映画のコンセプトを体現するものだった。
今回は、観察される側の川崎市の候補者たちが映画「選挙」のことを知っており、撮影する想田監督のことを「また撮ってるの」などと声をかけてくることで、どうしても観察者の視点だけにとどまることができない。監督のカメラは、撮ること自体の持つ意味を自覚しつつ、積極的に、山さん陣営だけでなく、被写体となる他の候補者たちとも対話していく。その中で「民主主義とは何か、選挙活動は一体誰のものか」という闘いの場にさえさらされる。

選挙期間中、ただただポスターの貼り直しをしに宮前区じゅうを車で回っている山さんの方が、前作とうってかわってなんだか今回は観察者に回ってるみたいにさえ見える。他候補の選挙カーに愛想ふりまいたり、他の候補が駅前で握手とかやってるのを車中からみて超然と批評とかしているのだが、これで選挙運動いいのかよ感が漂う。しまいには愛車のメーターが15万キロを記録する瞬間をデジカメで撮ってたりする。だが、監督の「彼ら(誰かは映画みてのお楽しみ)は選挙活動をどう思ってるんだろう」という発言に対し「私的なものだと思ってるんじゃない?」とサラリ、ズバリと斬るスルドさもにじませる。

そして投票前最終日に、一度だけの街頭演説に臨んで山さんが発したコトバ、表情はとても胸を熱くさせるものであった。ラストカットも含めて本当にここは涙モノ。

ほぼ全編が爆笑の連続で、楽しすぎるエンタテインメントなドキュメンタリーでもあるので、肩の力抜いて見ても全然イケる傑作。多くの人に見てほしい。


2013年7月の読書

7月は参院選の影響あって政治や政治学の読書が多かった。通常営業であれば政治家の書いた本なんか絶対に読まないのだが・・・。以下からどれか一冊しか読めないと仮定するならば、もっとも読むべきは月並みだが「池上彰の政治の学校」であっただろう。次点は下村さんの「首相官邸で働いてはじめてわかったこと」かな。

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2050ページ
ナイス数:20ナイス

国防 (新潮文庫)国防 (新潮文庫)感想
イラク派遣に関する弁明等々の疑問に感じる部分は多くあるものの、全体的な主張はとてもまともな話が多い。特に印象的なのは、現代の兵器が持っている能力と、兵器運用のトレンドによって兵力のあり方は全く変わってくるので、端的に場所や予算だけみて軍事力を論じるのは空論でしかない、という主張。自衛隊は敵地攻撃兵力を全く持ってない特殊な兵力構成になっており、自衛隊を縛る法律も集団基準でなく個人ベース(「自衛官は…」で始まる)でまとめられている、この兵力の「質」の理解を抜きにして『自衛軍』化アリナシ議論はできんなと思った。
読了日:7月24日 著者:石破 茂

テレビが政治をダメにした (双葉新書)テレビが政治をダメにした (双葉新書)感想
鈴木寛参議院議員候補による、政治とメディアの環境、および原発事故発生時の情報公開と報道についての検証の著。もちろん政治家による発信であるがゆえに研究に留まらないメッセージが含まれているのは勿論だが、ほとんどの分析は妥当と思う。また、2004年プロ野球再編問題から福島事故時の文科省対応に至るまで、事にあたり彼が行った判断も納得性の高いものと感じた。
読了日:7月20日 著者:鈴木寛

自民党で選挙と議員をやりました (角川SSC新書)自民党で選挙と議員をやりました (角川SSC新書)感想
映画「選挙」「選挙2」の主人公、山さんこと山内和彦前川崎市議会議員の著書。自民党落下傘候補として出馬した候補者自身からみた選挙運動の内幕(どの様なお金がかかり、それは誰が払うのかの中身等…)や、地方議員の仕事の実態、党組織との関係、僅か1年半で満期となった後、次の選挙に出馬断念したいきさつ(この部分には未だ語られてない部分があることが「選挙2」のパンフで触れられている。次の発言に注目したい)や、映画への当時の複雑な思いなども語られる。映画のファンは勿論、広く政治に興味ある人には興味深く読めるであろう好著。
読了日:7月20日 著者:山内 和彦

真・政治力 (ワニブックスPLUS新書)真・政治力 (ワニブックスPLUS新書)感想
「自民党が国民の信頼を取り戻している、等とは全く言えない」と公言し続ける石破茂の現状認識と政治姿勢については評価しているので、自民側の主張も読もうかと真っ先に手に取ったのはこの書であった。だが、自分が既に評価している上記のような彼の政治姿勢について書いた本だったので、新たな知見は得られず。党改革が必要と認識したうえで、では具体的に自民党はどう変わりどう開かれたのか、それを書かないと(窓口対応が変わった話くらいじゃ…)石破さんはともかく周りの連中はどうなの、結局前に戻って調子コイてんじゃん、と思ってしまう。
読了日:7月20日 著者:石破 茂

首相官邸で働いて初めてわかったこと (朝日新書)首相官邸で働いて初めてわかったこと (朝日新書)感想
破格に面白い、テレビの世界から広報審議官のポジションに飛びこんだ著者による、内側から官邸広報を見たらこんなだったよというレポート。首相の発する言葉がいかなる力学に縛られているか、矢面に立つ側から見たメディアの光景、等々を平明な言葉で語る。菅内閣〜3.11〜野田内閣のエネルギー環境戦略会議の広報までという、現在の日本にとって決定的に重要な時期の話であるため歴史的にも貴重なのではと思う。民主党政権時の話だからミンス嫌いの皆さんには抵抗感あるだろうが、広く読まれて然るべき書。
読了日:7月19日 著者:下村健一

ハッピーネガティブマリッジ4 (ヤングキングコミックス)ハッピーネガティブマリッジ4 (ヤングキングコミックス)感想
4巻でた!主人公二人とも頑張れ〜!
読了日:7月11日 著者:甘詰留太

現代日本の政策体系: 政策の模倣から創造へ (ちくま新書)現代日本の政策体系: 政策の模倣から創造へ (ちくま新書)
読了日:7月10日 著者:飯尾 潤

増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)感想
参院選前に安倍政権評価を加えた増補版。代議制民主主義のしくみを分りやすく解説した本で基本の確認のためにも役に立つが、一読した印象は中選挙区制→小選挙区制という政権交代の起こりやすいしくみに組み変わって以降の政党政治がいかに「政治家を育てるしくみ」を欠いた状態であるかについての問題提起だ。権力者は政治家ではなく国民であり、有権者はマシな政治家を育てるために何ができるか、という意識を持つべきだ。その切り口としての米国の大統領選挙制度の解説や高校生による模擬投票の提案といったものもあり、単なる解説書でない本。
読了日:7月10日 著者:池上 彰

サルチネス(3) (ヤングマガジンコミックス)サルチネス(3) (ヤングマガジンコミックス)
読了日:7月10日 著者:古谷 実

風雲児たち 幕末編 22 (SPコミックス)風雲児たち 幕末編 22 (SPコミックス)感想
桜田門外の変始末(関鉄之介はこれから)、咸臨丸のアメリカ到着が主筋。勝海舟の船酔いぶりが面白い。
読了日:7月10日 著者:みなもと 太郎

それでも、日本人は「戦争」を選んだそれでも、日本人は「戦争」を選んだ感想
圧倒的に面白い「日本現代史講義の生中継」。近衛文麿のブレーンの一人が日中戦争を「一種の討匪戦」と読んでいた記録をタネとし現代の対テロ戦争と日中戦争を比較する視座を皮切りに、昭和陸軍が彼らの兵力供給源である農村に活力を与えるべく、当時の政党よりもよほど社会福祉に寄り添った政策を推し進める政治勢力であったことなど、歴史学とはこうもイノベーティブであり得るのか!とその面白さに驚かされる。日清戦争から太平洋戦までに至る日本国家の選択についての本は死ぬほど出てるが、これほど明快で知的刺激に満ちた書はないのでは。必読
読了日:7月3日 著者:加藤 陽子

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