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6月 15, 2011

「マイ・バック・ページ」(★★★☆)

山下敦弘監督「マイ・バック・ページ」を丸の内東映で見た。

映画評論家として有名な川本三郎氏が朝日ジャーナルで記者をやっていた頃のノンフィクション原作をベースに脚色されたストーリーで、妻夫木聡と松山ケンイチがダブル主演。
妻夫木演じる雑誌記者、沢田の元に武装闘争のために武器調達を進めているというセクト集団「京西安保」の構成員を称する男、梅山(松山ケンイチ)が現れる。梅山は自らの行動計画を語り、記事にしようと持ちかけるが、先輩記者は梅山は眉唾もので付き合わない方が良いとアドバイス。しかし沢田は「他の記者さんはみんな一線引いていて、こんな話ができるのは沢田さんだけ」と慕ってくる梅山にほだされ、深入りしていく。(この「京西安保」というのは恐らく後に連合赤軍の一翼を担った京浜安保共闘がモデルだろう。それを前提に見ると結構切迫感が増すと思う)
沢田を自らの活動の放送塔にしようと目論む松山ケンイチ演じる活動家の、深刻の皮を被った浅薄さの表現が実に真に迫っている。学内で行われる討論で言い負かされそうになると逆ギレし、銃器奪取闘争を遂行する腹心を危険な場に送り込む一方で自分はナポリタンをモリモリ食ってやがる。この男を新聞社本体と争ってまで護ろうとする沢田は明らかにナイーブ過ぎるキャラクターとなっており、それだけにクライマックスに沢田の慟哭が来る構成にはなっているものの「泣ける映画」といった飲み下しやすさは排除されている。ではナイーブ過ぎる沢田にジャーナリズムの現実を教える教育的内容なのかと言えば、沢田の対極に位置する新聞社社会部および幹部連中は三浦友和に代表される明白なクソ野郎どもであり、そちらに寄っているわけでもない。結局のところ、焼き鳥屋のカウンターで振り返って一人泣くしかないような人生の痛恨事というものは、他にどのような正解の選択肢があったとも言えないからこそ痛恨なのだということかも。
落ち着きどころの難しい悔恨を主題とした映画なのでカタルシスからは遠いが、語り口は映画的な息遣いに満ちていて限りなく心地良い。出演陣の演技はいずれも素晴らしく、主演二人以外も見所いっぱいの一本だ。

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