「P.T.U」という妙な味わいをもつポリス映画で気になっていたジョニー・トー監督の「イエスタデイ、ワンスモア」を池袋のシネ・リーブルで見た。
あまり事前情報なく、チラシの雰囲気から勝手に金持ち男女の恋物語かと思っていたのだが、オープニングの'70年代風味、金は余るほどあるのに盗みをやめられない男女が主人公ということで、ようはノーマン・ジュイソン監督の「華麗なる賭け」(最近ではリメイクの「トーマス・クラウン・アフェア」の方が有名か)をやってみたかったのだろう。音楽もミシェル・ルグランの名スコアには及ばないが、'70年ころのジャズっぽい感じ。(なお、「華麗なる賭け」は68年の映画)
困ったことに、私はこういう設定には毛ほども興味がない。セレブリティの華やかな世界と危険な火遊びなど見ているくらいなら、歌舞伎町の裏通りのドブ板でも見ていたほうがよほど面白いという人間なので、当然のことながら(?)「華麗なる賭け」もビデオで見てて途中で寝た。なのでこの映画も筋自体はかったるかったのだが、今日びコレやるか〜?というようなベタベタな筋をしごく真面目に面白い仕掛けを仕込みつつ撮っているのが意外と楽しめて、寝もしないで最後まで見てしまった。
アンディ・ラウとサミー・チェンの離婚夫婦がお互いの家を訪れるのだが、片方がワインを取りに地下蔵に行っているスキに、自分は別れている間に別の相手と付き合っていたのだヨと言わぬばかり、ものすごい勢いで風呂まわりやベッドまわりに異性のいる痕跡を演出していくシーンはかなり面白かった。あわてて洋式便器の便座を上げ、コンドームの袋をやぶるサミー・チェン。さすがにテーブルの上に空き袋を置いとくのはやりすぎだろ!と思うのだが、それを見たアンディ・ラウは一言
「バナナフレーバーかい?」
・・・まあ後味としては星3つプラスαくらいで、相変わらず妙な映画を撮る人だなあという感じ。
ノワールがすごく面白いらしいので、次回かかる「ブレイキング・ニュース」を楽しみにする間、「暗戦−デッド・エンド−」とか「ザ・ミッション〜非常の掟」とか借りてみようかなとも思う。
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