名店クラシック

中野のオタク立国を論じた先日のエントリに、円さんがコメントをつけてくれて、そこである恐るべき中野のパワースポットに触れたことがキッカケとなって、コメント欄がかつてない盛り上がりを見せた。
(このblogで、2つ以上のトラックバックがついたのなんて初めてではなかろか?!円さん、ネタふりありがとうございました。iioさん、yujiさん、取り上げていただいてありがとうございました)
まさに波紋疾走(オーヴァードライヴ)と呼ぶほかない状況を呼んだソノモノとは、中野駅近くの路地にインゼンとそびえ立つ伝説の名曲喫茶「クラシック」だ! ズキュゥゥゥン。
ほとんど、半分崩れかけていると言って過言ではないこの喫茶店。
しかしひとたびここでの異様体験を語る人々は、「クラシック」の店舗の時を越えたボロさであるとか、マヨネーズのフタでミルクを出すようなあまりにも独自すぎる接客姿勢を熱くけなしつつ、裏腹に、その熱さによって愛を表明しているようにみえる。
シアトルから上陸してきたカフェチェーン店が「スタバ」というブランドに従って作り出した誂えモノの快適空間を日本中の各都市にばら撒いていく昨今である。一方で中小の喫茶店は、あきらかに「スタバ」を模倣したノリの改装を行ったり、或いは微妙にノリを違えたりはするものの、本質的にはその亜種でしかあり得ないような風貌に店舗を改装したりしている。
こうしていまや「喫茶店」という空間が、その本来持っているべき奥ゆかしく隠遁的な雰囲気を喪った平板な「カフェ」空間に姿を変えていく・・・というのが最近の流れであるわけだけど、「クラシック」はそんな世間などまるでありもしないかの如く相変わらずボロい店舗のまま、十年一日うまくもないコーヒーと粉末を溶かしこんだジュースを客に出し続けてきたわけで(※)、その潔い世情無視の態度こそが、愛好者に支持され続けているポイントだと思われる。
(※最近はキャップでミルクを出したりはしない)
それでもたまに「東京人」のような好事家の雑誌に取り上げられ、「名曲喫茶」の本性を理解しないカフェ訪問ノリの女子がつめかけたりして店側も迷惑を感じることがあるようだ。この店に入った時には決してゲラゲラ談笑したりはせず、わざわざしかめつらしい顔を作ってプツプツとノイズの入るSPレコードから流れ出すショパンやベートーヴェンの調べに耳を傾けたいものである。
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