だいじょうぶマイ・フレンドを見たような気がするパーティー
しおぴーさん宅でのホームパーティー第二弾!
今回は、前回りいさんが「私はこの映画を一人で見て苦しんだことのある人でなければ認めない」と豪語していた怪作、
村上龍の処女監督映画「だいじょうぶマイ・フレンド」を鑑賞する会なのであった。
何しろ、ホストのしおぴーさんがためしに冒頭20分見てやめたというのだから、相当くだらない映画であるらしい。
しかしながら私が考えるに、最初からくだらないと分かっている映画を喜んで見るというのは、非常に高踏的な趣味なのである。
というのは、評価が定まり権威と化した作品を押し戴いて見たところで、人はすでに流布している世評や価値判断をなぞるにとどまるのが関の山だ。
一方、くだらない映画を目の前にしたときの人は、むしろ創造的になる。
つまり、見ているこの時間を無為にしたくないばっかりに、映画と向かいあって様々な発見(ツッコミ)や、価値の創出(これも勉強だと思う)を行わずにはいられないからである。
そこに「待てよ、何こんなにホメているんだ?こんな映画評価して本当に正しいのか!?」などといった葛藤も生まれ、「こんな映画見て喜んでいるオレという人間はいったい何なんだ!」といった自己への問い掛けも生まれるわけなのである。
(一応捕捉しておくと、最初からくだらないものを狙って作られた映画にはこのようなダイナミズムは存在し得ないので、作品の選定には注意が必要だ)
それゆえに、このパーティーに20人以上も人が集まると聞いた時には、「そんなに高踏な趣味人が沢山集まるのか!日本もまだまだ捨てたもので無い」とか思ったわけだが、フタを開けてみると、ほとんどの人はこれが「だいじょうぶマイ・フレンド」というよく知らない怪作を見てツッコミ(もとい、価値の創出)を入れる会だとは知らずに呼ばれていたのだった。(まあ、普通はそういうものだろう)
怪しい会は参加者持ち寄りのワインや酒、それに超美味のケータリング料理で多いに盛り上がり、集まった人も某映画に強い女性誌の編集者から宇宙関連の人(UFOとかじゃないよ)まで、めっちゃくちゃ多岐にわたっており話題も広かった。
宴もたけなわ、となったころ、おもむろにしおぴーさんがビデオを再生し始める。
・・・20分ほど経っただろうか、場は多いに盛り上がっているのだが、誰もビデオを見ていない。
見ていない、どころではない。あろうことか、誰もビデオを見ていないということ自体がネタになり、会話のスパイスになっているではないか!
高踏的な趣味の世界がッ・・・・こんなはずでは・・・・?
なーんて言いつつ、私自身も断片的にしかビデオを見ておらず、おそらく見たのはトータル15分くらいのものである。
覚えているのは、
・全裸の広田玲央名が、ベッドに寝たまま電話をとる。背後の壁には何故かカンディンスキーが掛かっている。
・ネクタイをしめたピーター・フォンダが登場し、Tシャツを腕まくりした渡辺裕之と連れ立ってどっか行くのだが、そのビジュアルは日本に出張してきた外人ビジネスマンが男娼を買っているようにしか見えない。
・根津甚八が変な敵組織のリーダーで詰め襟を着ているのだが、何となく「狂い咲きサンダーロード」に出てくる小林稔次(ホモ)を連想させる。
・宇宙人であるピーター・フォンダが宇宙に帰ろうと、とりあえず空飛ぶためにハンググライダーに乗るのだが、その格好やアングルは妙にドン松五郎を連想させる。
・敵組織の秘密基地のようなところで大激戦が繰り広げられるのだが、大量のトマトを一生懸命潰すシーンを除くと、「007 私を愛したスパイ」の潜水艦基地の激戦にそっくりだ。
・・・とか、せいぜいそんな程度である。見直さにゃ。
でも、パーティーはめっちゃ面白かったっす。次回はぜひ「直撃!地獄拳」見ましょう。(←私的定番)
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2930/489802
この記事へのトラックバック一覧です: だいじょうぶマイ・フレンドを見たような気がするパーティー:

コメント
はじめまして。私、村上龍は相当好きで、『愛と幻想のファシズム』なんかは、いまだにヒマなとき読み返したりします。でも、龍先生は、映画をつくると、どうして毎回「トホホ」な出来になってしまうんでしょうか?凄まじい脱力感が襲う『だいじょうぶマイフレンド』は若さ故の過ちとしても、すっごく力いれたらしい『トパーズ』。そこまで言うならとDVDで買ってしまったら、「これはないよなあ・・・・・」という出来でした。映画にではなく、3800円出して買ってしまった自分に泣けます。映画以外の仕事見ると、もっとちゃんとした映画とれそうなのに何故?本当に不思議です。
投稿 円海 | 4月 29, 2004 02:37 午後
はじめまして!B型悪魔系いつも読んでます。
村上龍については、私はむしろ逆で(WORLD DOWNTOWN風)、
小説は一冊も読みとおしたことがありません。
(「五分後の世界」とか持ってるんですが、それこそ読み始めて5分後の読み止しのままであったりして・・)
じゃあ監督映画は全部見たことがあるのかっ?というと、かつて安原顕さんが絶賛していた「KYOKO」とかは気になりつつも、「だいじょうぶマイ・フレンド」が初体験だったりするんで、これはこれで前途多難(どこへ?)なんですが…。
ちゃんと読んだのって何かなァ。なんかどっかで捕まえてきた女子高生に興味津々でインタビューした本、ありましたよね。あれとか、ニューアカ華やかなりし頃に坂本龍一と一緒に浅田彰とかとダベった「E.V.Cafe」なる対談集とか、基本的にダベり本ばかりです(←フヌケ…)。
あと強烈に覚えているのが、新潮文庫に入っているラーメンの本(たしか「ラーメン大好き」って書名)で滔々と九州ラーメン絶賛論を説き、私の大好きなあっさり醤油味ラーメンを「個性のない奴の食い物」(みたいな表現だった)とこき下ろしていたことですかね。(あれにはブゼンとした気持ちになりました)
なんの返信にもなっておりませんが・・円海さんのblog非常に好きなので、今後もこっそり読まさせて下さいませ。
村上龍に縁のない私ですが、IPアドレス拒否しないで下さいね(^^;)
投稿 k-tanaka | 4月 30, 2004 01:20 午前