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3月 07, 2004

ドライヤーの遺作「ゲアトルーズ」

イ・チャンドンの新作「オアシス」を見に渋谷へ出ようと思っていたのだが、いまひとつ時間があわない。手元のぴあをめくってみると、吉祥寺バウスシアターでカール・ドライヤー監督特集をやっている!さっそく吉祥寺に出ることにきめてドトールを出る。

 吉祥寺の公園口にあるまんがの森に立ち寄ると、復刊ドットコムで再版されたみなもと太郎「ホモホモ7」が並んでいるのを発見。篠原とおるやさいとう・たかを調の劇画タッチとゆるみにゆるみまくったホモホモ7の描線の対比に爆笑できる傑作だ。(復刊ドットコムによれば「レ・ミゼラブル」の復刊も確定したそうで、復刊ドットコム万歳である)また最新刊の「風雲児たち 幕末編」第四巻もGET。なぜこんなに吉祥寺のまんがの森はみなもと太郎に異常に強いのか。ひょっとして地元なのだろうか?

 バウスに行き着き、レイトショーでカール・ドライヤー監督「ゲアトルーズ」を見る。1964年の作品であり、神話的な映画作家であるドライヤーの遺作でもある。
 映画は、大臣に出世することが決まって自宅に戻ってきたカニング弁護士が妻を呼ぶ「ゲアトルーズ、ゲアトルーズ」という声で始まる。この「ゲアトルーズ」と呼ばわる声はクライマックスでそっくりそのまま繰り返されるのだが、それは冒頭で大臣に立身出世したことを妻に伝えたくて呼ぶ声ではなく、どうしようもなく関係が決裂して出ていった妻への未練に思わず搾り出される声に変貌しているのだ。
 全体は、「愛がすべて」とのたまう女主人公ゲアトルーズが、「あなたは高慢だ、最初は上流階級だから高慢なのかなと思っていたが、そうではない、魂が高慢なのだ」などといったフォローのしようがない言葉をかけられながらも、己の中にある真実の愛を一心に追い求めながら、結局だれの許に腰を落ち着けるでもなく老いさらばえていく姿を描く。
 特徴的な、互いに人物が視線をかわさないで語り合うところ(演劇っぽい)を別にすれば、必要な描写だけがきっちりと濃密に描かれ無駄がいっさい省かれている印象で、少しも過剰なところがない映画に思える。
 私は映画において過剰さを楽しむ傾向があるので(それなので三池崇史の映画なんかは大好きだ)、あまり普段はこういう映画を好まないのだが、このような古典的な意味での堂々たる芸術ぶりを見せられるとさすがに頭が下がる。
 ときに挿入される、人物心理を象徴するような構図のものすごい完成度には、フェルメールの絵画でも見ているときのような感銘を与えられる。
 以前ビデオで見た「吸血鬼」と比較しても、けっこう見やすく面白い映画ではないかと思う。

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» ゲアトルーズ [秋日和のカロリー軒]
白い禁欲の壁  ときに“聖なる映画作家”などと呼ばれたりもするカール・ドライヤーの1964年の遺作『ゲアトルーズ』は、それまで、その称号の由来でもあろう、吸血鬼や、魔女狩りや、奇跡などといった宗教的な要素の色濃い題材を扱いながら、禁欲に対する形式を、トレー...... [続きを読む]

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