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12月 30, 2003

見合い/原風景

見合いする。
初めての見合いゆえ、緊張と弛緩の連続。
すっかり、疲れる。
これから仕事に出るというお相手と別れ、万代の紀伊国屋書店でひさしぶりに書籍渉猟。
伊坂幸太郎「重力ピエロ」、山本夏彦「完本 文語文」、多木浩二「ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』精読」を購入。萬松堂となりの喫茶エトアール(高校時代はよくここで先輩と議論したものだ)にて、「重力ピエロ」を少し読む。
「アヒルと鴨のコインロッカー」「オーデュボンの祈り」と読んできたが、この人のセックスと暴力に対するモラリズムの対置ぶりはちょっと執拗にすぎるのではないかと思う。
宮部みゆきにも、しばしば作中にモラリズムの片鱗が現れるが、それは鼻につく感覚ではない。
伊坂幸太郎の場合には、何か少し牢固ともいえるこだわりを感じる。何だろう。

田んぼのかなたの営業所までバスにゆられ、実家が属する団地まで、農道の中を足元を見ながらトボトボと歩く。
学校がはけた後、古町の本屋をあさり、新潟交通のバスで家路にむかい、田畑の中に孤島のように寄り添っている家々のかたまりに歩いていくこの繰り返しが、自分にとっての十代そのものだったなと思う。
懐かしさと孤独さに満ちた原風景のむこうに、オレンジ色の光に照らし出されたバイパス道路が見える。
白いヘッドライトや赤いテールランプの星が視線のむこうの空中を横に滑っていく光景を見ているうちに、新潟に戻ってきた感慨が薄ら寒く、コートの下の肌に染みとおってきた。

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