2016年11月の読書まとめ
「アンダーグラウンド」は前から読みたいと思っていた本だったのだが、やはり感銘を受けた一冊でありました。
マンガでは「聲の形」「かくかくしかじか」が印象に残っている。
2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2153ページ
ナイス数:48ナイス
アンダーグラウンド (講談社文庫)の感想
熱心な村上春樹読者では全くない私だが、これまで読んだ春樹の本で最も面白かった。前代未聞の事件を起こした地下鉄サリン実行犯たちの表情は脱色された様に曖昧で、たまたまその日その電車に乗り合わせてしまった幾多の被害者の一人一人の方が綿密に描かれる。巧みなモノローグ文に乗って人々の語る職業のディテール、来し方行く末、個人的習慣(御苑駅で降りて牛乳を買う話が印象的)…皆それぞれユニークなその一切が、新聞紙包から漏れ出したあの液体の引き起こす症状に無造作に束ねられる不条理。史上に残すべき記録文学と言ってよい様に思う。
読了日:11月22日 著者:村上春樹
ミュージアム コミック 1-3巻セット (ヤングマガジンKC)の感想
まあまあ
読了日:11月19日 著者:巴亮介
かくかくしかじか コミック 全5巻完結セット (愛蔵版コミックス)の感想
東村アキコの自伝的マンガで、宮崎で絵画教室を営む超スパルタ画家「先生」との関係を軸に描かれる。笑いとほろ苦い回想が交錯。タラレバ娘はそんなに乗れなかったけど、これはすごく良かった。
読了日:11月19日 著者:東村アキコ
遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たちの感想
第二次大戦の終結は、故郷から引き離された余りにも多くの国籍の人々が難民として投げ出される瞬間でもあった。ナチは軍隊に注いだ労働力の補填のために、多くの東欧の人々を連行し労働力にしていたのだ…戦後世界がこの強制移住者らを母国に帰そうと努力する一方、バルト三国人、ウクライナ人やポーランド人はロシアの支配下にある母国に戻る事を望まず、国際機関の調査を誤魔化すことまでした…。全く一筋縄でいかない難民と人道政策の困難が開陳され、問題が決して過去のものではないという思いを新たにさせられる。ちょっと長すぎな感はあり。
読了日:11月6日 著者:ベンシェファード
orange コミック 全5巻完結セット (月刊アクション)の感想
良かった。アニメもちょっと見たくなったな~。「未来からの手紙」が一体どのような経路でどう届いたのかが完膚なきまでに省略されているのはこの場合むしろ潔いというべきだろう。
読了日:11月5日 著者:高野苺
アンゴルモア 元寇合戦記 (4) (カドカワコミックス・エース)の感想
1~4巻まで読んだ。元寇の対馬を舞台に、島に攻め入ってきた蒙古軍に対し島の地頭・流人らが山岳ゲリラ戦を挑む。珍しい時代設定に興味をひかれるが、話が面白くなるのはこれからなのかな…という感じ。
読了日:11月5日 著者:たかぎ七彦
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)の感想
全巻読んで初めて感銘を受けた。障害を持った子供へのいじめと、いじめの生んだ疎外からの回復という重いストーリーをめぐって「人と向き合うということの困難さ」という40男にしても容易ならざる主題を掘り下げる。こんなに愉快さの無い(永束君はおもしろいが)物語がコミックス7巻も続く人気マンガとなってるのがスゲーし文学的。読み返したい。
読了日:11月3日 著者:大今良時
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