April 09, 2004

アイデン&ティティ (★★★☆)

映画見てから、2週間くらい経っちゃいました。
遅くなってごめんなさい。
シネホル会員の活動をさぼっていたtnkmrです。

さて、『アイデン&ティティ』。
もともとシネホルの活動がなければ、
自分一人では観に行くことのなかったであろう、
単館系、自主製作臭プンプンの映画。

「クドカン脚本」とか「中村獅童出演」くらいしか、
事前情報は持ちあわせていなかったので、
最初からあまり期待はしていなかったが、
始まってみると、これが想像してたより面白い。

武蔵大の友人がいるのだが、
彼らは大好きなんじゃないだろうか。
もう、とことんロック魂。
B'zやラルクはロックじゃねぇ、って感じの。
メジャーなんて糞だぜ!みたいな。

「ロックバンド」としてメジャーデビューし、
それなりのヒット曲も出したものの、
事務所やメンバーから売れ線を要求される現実と、
「本当のロックはこんなんじゃない!」と、
幻想の「ボブ・ディラン」の前で、苦悩する男が主人公。

宮藤官九郎脚本については今まで、
「話し言葉のテンポ感と、
 サブカル的な軽いノリで、
 キャーキャー言われてるだけでしょ?」
と遠巻きに眺めていたのだが、
少なくとも『アイデン&ティティ』は悪くない。
っていうか面白い。
すごいぜ、クドカン!

現実だか夢だかわからない雰囲気の中で
主人公の前に「ディラン」が現れ、
その言葉はハーモニカの演奏によって、
頭の中に直接語られる、という演出や、
役者達が実際にスタジオに入って練習したという、
バンド演奏シーンも迫力があって良かった。

最後のほうでちょっとダレたのは傷だけど、
田口トモロヲは初監督作品として、
素晴らしいものを作り上げたのではないだろうか?


・・・だが、
根本的な部分で、気になった点が一つ、
主人公のバンド「SPEED WAY」は、
最盛期でどれだけ人気があったのかが、
劇中ではあまり描写されていないので、
主人公の苦悩が、どの程度の切実感を
伴っているものなのか伝わってこない。

結局、そこの部分が曖昧なので、
ともすれば、アングラの底のほうから、
メジャーに対して悲痛に叫んでいるようにしか見えない。
自分は、B'zやラルクもスゴイと思っちゃう人間なんで。

やっぱり、
「話し言葉のテンポ感とサブカル的な軽いノリ」
だけなのかな、クドカン・・・。

なにはともあれ、レンタルで観るには
文句ない出来(雰囲気も含めて)の映画だと思います。

by tnkmr

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March 31, 2004

イノセンス(★★★)

とにかく映像を見るだけでも一見の価値はある。
スター・ウォーズ新シリーズを完全に超越しているイメージの奔流、これはスゴイ。(しかしながらどこまでも「ブレードランナー」の延長線上のすごさなのかな、と思われる点は微妙に思うところですが)

「だけど・・・何だかなァ」と思うのは、ここまでお金をかけ、プロジェクトとしてもでかいのに、中身は押井守の個人映画である事だ。そりゃ本当の押井守個人映画だったら「立ち食い師」とかが出てくるんだろうから押井としても妥協はしているのかも知れないが、少なくともこれだけの規模で大々的に公開される映画としては難なしとはしない。
いつも伊藤和典が脚本を書いているのに、今回は押井自身が書いているというのもその一因ではあろうけれども。。
すくなくとも、一般ピープルは感心しないでしょう。

そんなわけで今回最も燃えたのは例によって音楽だ。川井憲次はキャッチーなメロディを織り交ぜながらも、彼の本領ともいうべき打楽器へのコダワリがきちんと出ていて、普通にも聴けるし面白がって聴けるようにもできている。これは、まだ微妙に楽器(ワルシャワ・フィル)をモノにしているかどうか疑問だった前作「Avalon」に比べても、一つの川井憲次的面白さが前面に出ているように思える。

押井/川井コンビ作のサントラで最も楽しみなのは実は川井憲次の書くライナーのおもしろさ。脱力系ライターとしても大好きな川井さんの書くライナー、今回も大いに笑わせてもらいました。
by k-tanaka

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March 30, 2004

アイデン&ティティ(★★★)

中央線風味満点。
大学映研自主映画風味満点。
でも一方で、シネセゾンみたいなミニシアターと一般劇場の間くらいの小屋で違和感なく映されるための要件は問題なくそろえた、心憎いデキの青春映画です。

私的には、確かにアツい映画なんだけど、アツさと上手さのバランスが良すぎて、もう少し過剰なところがあってもいいような気もする。
もっともっと暴れて放熱してもよかった。
放熱の後の虚脱まで見たかった。
それがファンタジーの世界に解脱していってしまっているがために、全体が一種のおとぎ話になっていて、
青春映画に切実さや、やるせなさや、粒の粗い何か(へんな表現ですが)を求めてしまう私のような人間には、いまひとつ入り込めないものがあり、惜しかった。

なんか「物足りないゼ!」という感想を書いているんですが、この物足りない部分を埋めて星3つをつけている根拠は私的にはただ一つ麻生久美子の存在です。
もう全肯定っす。「この女子大生ムリあんだろ!!」って思う部分まで含めて良し!

by k-tanaka

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