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October 31, 2004

「春夏秋冬そして春」(★★★★)

「悪い男」で純愛映画のひとつの極限を示したキム・キドク監督の「春夏秋冬そして春」をル・シネマで見る。

深山に水を湛える湖の真ん中に静かに浮く筏の上に、小さな庵が建っている。
この庵に僧侶二人がささやかな生活を営んでいる。ひとりは老僧、ひとりは愛くるしい小坊主。

春-山中のあふれんばかりの自然の中で遊ぶ小坊主が、小さな殺生をする。
  小坊主に呵責ない叱責(言葉では語られないところが味わい深い)を加える老僧。
夏-この庵に、病の治療のために一人の少女がやってくる。
  成長し青年となった小坊主は、仏門にありながらこの少女にどうしようもなく惹かれるのだった-。

ってな調子で春夏秋冬の短いエピソードが積み重なり、やがて感銘深い「そして春」を迎える。

「悪い男」のもう「どーなってんの!?」と言うほかない壮絶さとは違い、「春夏秋冬そして春」では仏教的輪廻の概念を自分なりの捉え方で、今度は凄絶なまでに耽美的な寓話の世界に結実させている。

「人生はめぐる季節のごとく どんな喜びも、どんな悲しみも いつかは朽ちて・・・安らぎとなる」

というこの映画のキャッチコピー、けっこう言いえて妙だと思う。
ストーリーの各所に、普通に観れば繋がらないようで、実は繋がる仕掛けがしてあり、複数で見た後に様々な解釈が飛び交う映画でもある。

キム・キドク、このような映画をも撮るとは・・・。いい意味で期待を裏切られた感じ。

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October 23, 2004

オールド・ボーイ(★★★★)

パク・チャヌク監督「オールド・ボーイ」を試写会で見る。
「韓国一のドブネズミ俳優」ことチェ・ミンシクが演じる主人公、その名もデスは、しがない酔っ払いサラリーマンだが、ある日娘へのプレゼントを道に落としたまま、都会の真ん中で消息を断つ。
理由も分からぬ状態で謎の部屋に監禁され続け、年を経ること15年。ふいに解放され、さらわれたのと同じ場所に再び戻されたデスは、「俺にこんなことをしたのは誰だ!」という吉田輝雄in石井輝男映画的な問いに突き動かされ、犯人探しの探索行に入る。
ふと入った寿司屋で生ダコを頬張りながら突如気絶した彼を、日本料理屋の女板前ミドが助け、それが機縁となって(笑)ミドはデスの孤独な探索に手を貸すようになる。
デスは監禁部屋で鍛え上げた肉体と大工のハンマーを振り上げて、襲い来る謎の勢力と戦うのであった・・・。

 という、なんだかこう書くとすっごいシュールな作品にも思えるのだけど、実はきっちり作られた娯楽映画であって、筋は何しろ"明かすと15年監禁される恐れがあります!"っていうことなんで明かせないのだが、かなり楽しめる映画であった。
 画作りも面白いが別に奇をてらっただけのものではなく、自然な演出を意識しながら出来上がってるカッコよさなので納得できるし、演技陣も、チェ・ミンシクのなんともいえない味わいのある魅力にはシビれるばかりだし(最近のジョン・トラボルタ的な位置づけでスター化するのでは?と期待させる)、ユ・ジテののっぺりした悪意をにじみ出させた敵役ぶりもハマっていて、総合評点高い。

最近の私における、もう韓国映画があればハリウッド娯楽映画イラネ論も、いよいよ現実味を帯びてきた感じだ。

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October 10, 2004

カクト(★★☆)

日本映画専門チャンネルで伊勢谷友介監督「カクト」視聴。
伊勢谷友介といえばあの超クソ映画「CASSHERN」に主演していたり、広末涼子の元カレだったりとあまりいい話題でのネームバリューがないが(^^;)、印象に残る俳優さんであり、公開当時劇場で見た予告編もなにか気になるモノだったので見てみた。

新世代の青春グラフィティ。今を楽しみながらも、行き場のない不安や感情を抱えながら生きる若者たちが巻き起こすある一夜の出来事
・・っていうようなオヤジ向け表現が日本映画専門チャンネルのHPに載っているのだが、要するにドラッグムービーだった。
伊勢谷は学生やりながら先輩つながりでヤクザともつきあいがあり、ある夜クスリの売人にされそうになるが、物の入ったラッキーストライクの箱をうっかり落としたことから窮地に陥る。
クスリできめた状態で寺島進に追われ疾走しまくったあげく、地下歩道の中で伊勢谷がおちいるバッド・トリップの表現がかなり気持ち悪い感じでおもしろかったが、映画全体としてはなんとなくダルい感じ。
あんまり好きじゃないジャンルなんで共感しにくいのも一因ではあろうが、いまひとつ切実さが感じられないように思われた。
GREEで著名なまつゆうがクレジットされているが、どこに出てたのかよく分からずでした。

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