IZO(★★★☆)
ひさしぶりに渋谷で映画。シアター・イメージフォーラムで三池崇史監督「IZO」を見た。どんな状況であれ武知鎮典-三池崇史の映画は全部スクリーンで見て行きたいと思っていたので、ようやく願かなった感じ。
さて今回はこれまでのプログラムピクチャー枠突破的傑作とは違い、もうやりたいことだけやった、武知版マトリックスと化している。
串刺しの刑に処せられた岡田以蔵(IZO)の怨念が時空を越えてあらゆる所に出現し、社会を支配する仕組みに属する者どもを片端から斬って捨てる…どころか、自分を規定するすべてのもの、たとえば母親までをも一刀両断。システムが完全たるべきために必要な不完全…矛盾がIZOであると大滝秀治は話の途中で語るのだが、なんかこれ「リローデッド」で聞いたような理屈ではないか?
しかし「マトリックス」に出てくる敵はみんなヒューゴ・ウィービングとかいったエージェントに変化するんでいくらボコったところで痛みも感じないが、IZOの前に立ち現れる者たちはみんなそのままの姿でバッサリ斬られるので実に呵責ない。新撰組も斬られる、ヤクザも斬られる、対テロ特殊部隊も斬られる、股旅も斬られる、PTAも斬られる、なぜか小学校の先生だけは斬られない?(←謎)近年のタブーも犯してるが、これはまあR-15にされちゃうだろうなぁ・・・。
時空間もめちゃくちゃで、江戸の町に落っこちてきたIZOが対テロ特殊部隊に包囲されたかと思えば、現代の盛り場を御用提灯を手にした捕り方が突進してきたりするのには笑った。(もちろんどっちも斬られ死に)
IZOの敵としては最もチョロかった不良少年軍団にIZOは以下のように言う。
「おまえはなんのためにおまえなのだ?」
「てめえ、バカボンのパパかー!!」
と言って打ちかかった不良は日本刀で袈裟がけにバッサリいかれちゃうわけだが、もちろんIZO自身もなんのためになんか分かっちゃいないはずだ。クソ食らえなあらゆる枠組みを叩き切る「怒り」そのものがIZOなのである。
したり顔でこんなクソ世の中を飲み下してどうする?怒れ!と凶暴な怒りをブチ上げたのが「IZO」という映画なのだろう。そういう意味では都庁前で命乞いをするスーツ姿のビジネスマンをなで斬りにするシーンが最も良かった。どうやら私もけっこうこの世の中が嫌いらしい(^^;)
ところで、ときおり美木良介がヒューゴ・ウィービングみたいな顔するんだけど、あれはやっぱり意識してるんだろうか。
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