弁天小僧(★★★★)
レンタルビデオで伊藤大輔監督「弁天小僧」を見る。
歌舞伎の定番、「白浪五人男」のリメークだが、近年よく見かける出し殻を煎じ直したようなリメーク映画とは全く違い、堂々たる傑作である。
「知らざぁ言って聞かせやしょう」の定番シーンが話中話になっており、実に巧みな脚本。
浜松屋蔵前の場で出てくる、今となってはギャグにしかならない因縁話さえもが切々と胸に迫る落涙モノのエピソードになっている。
そして伊藤大輔の縦横無尽の画造りはどうだろう。地面に落ちた櫛に多くを語らせるディティールの妙から、屋根に登った弁天小僧の背中からグーッと見渡す、町いっぱいを埋め尽くすような御用提灯の画造りまで、映画の快楽にひたすら酔わされる86分である。
役者もあまりにも素晴らしい。市川雷蔵演じる弁天小僧の乱れ髪の色気といったら!勝新太郎演じる遠山金四郎の男ぶりも素敵だし、脇を固める演者も、どれもが輝いている。
個人的に痺れたのは、日本佐衛門(駄右衛門?)の以下のセリフ。
「同じお縄を頂戴するなら、晴れの舞台は、お江戸だねェ・・・」・・・・旦那!かっこ良すぎっス!!!!
かつては、こんな仰ぎ見るような傑作が毎年生産されまくっていたんだなァ・・・・
by k-tanaka
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Tracked on September 09, 2007 at 10:01 AM

Comments
蔵前って笑うシーンじゃなかったんですね(笑)
歌舞伎チャンネルで市川新之助の浜松屋の場を見たら、これは笑う演目じゃないなーって気がしたんです。
歌舞伎を現代風に見せる勘九郎は、功績・罪ともに大きいんだなーって感じがしました。
Posted by: わじゃ | May 02, 2004 at 07:03 PM
うーむ、なるほど。勘九郎の舞台は大爆笑以外の何モノでもなかったですけどね~(^^)新之助だと違うのか。ふむふむ。
なお、伊藤大輔監督版「弁天小僧」の場合は、老中の縁戚である旗本のドラ息子野郎VS五人男の対決というストーリーが絡んでまして、オリジナルの「白浪五人男」とはまた違った角度で泣かす演出でした。蔵前の場面で浜松屋と対峙するのは駄右衛門ひとりという仕立てでしたし。
Posted by: k-tanaka | May 03, 2004 at 12:35 AM