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April 05, 2004

殺人の追憶(★★★☆)

ポン・ジュノ監督の韓国映画、「殺人の追憶」をシネマスクエアとうきゅうで見る。
非常に前評判が高い映画なのだが、いつだったかの「とくダネ!」で岩代太郎が音楽をやっているカラミで取り上げられていたこともあったのだろうか、ほぼ満席であった。シネスクっていつもガラガラなイメージがあるのだが・・・こんなのは「マルホランド・ドライブ」以来である。
昼ごろ起きてから何一つ食っておらず、空腹この上なかったため、西武新宿前のマックでベーコンレタスバーガーのコンビを買っておいたのだが、モギリ時に「場内では飲食できませんので、飲食の方はロビーでお願いします」といわれ、予告編の間ロビーで食べる。コーヒーも飲みきれなかったので泣く泣くトイレに流す。
ミニシアターはこれだからウザい。こちとら、デートでしっかりランチを仕込んで「じゃあディナー行く前に映画でも見る?」みたいなノリのカップルとは階級が違うのだ(一段下なのだ)。映画館は生活の場たるべきであり、観て、食って、映画がつまんない時には寝る場であるべきなのである!と声を大にして言いたい。

本題。
この映画は、80年代から90年代初頭にかけて、軍事政権化の韓国の田舎で実際に起こった未解決の連続強姦殺人事件「ファソン事件」を材にとったものだが、だからといって単なる社会派ドキュメンタリーなタッチではなく、事件を追う刑事たちのキャラクターがたっぷり描かれた、非常にストーリー性の高い映画になっている。
笑えるシーンも随所に折り込まれているが、これ見よがしなギャグではなく、キャラクターの味わいから自然と湧き出るユーモアになっているところが良い。また、こういう笑いを演じる時のソン・ガンホは実にイイ演技を見せる。銭湯のフロオケにつかりながら、人のチンコをじとーっと見るあの視線は忘れられない(←別にホモキャラなのではない。詳細は映画を見るべし)
あの顔のでかさが効いているのではないだろうか?渥美清効果と名付けたい。(そういえばもう一人の暴力刑事は、なんとなく見ていて郷瑛治を思い出してしまった)

ソン・ガンホが地元警察の「捜査は足だ」派、キム・サンギョンがソウル市警の分析型捜査官であることだったので、一種のバディ・ムービーなのかなぁと考えていたのだが、この映画はそういうハリウッド的な類型に堕しておらず、いい意味で裏切られた感じである。
と、いうか「オアシス」「殺人の追憶」とこのところ見継いできて、私の中の韓国映画への期待感はハリウッド映画への期待感などよりもずっと高いものになってきている。時に「ボイス」みたいなものを見せられることもあるが、映画を「映画ビジネス」などと呼称することに何の抵抗感もない不快なマーケティング野郎が寄ってたかって作り上げたであろう工業産品的臭気は、少なくともこれまで見てきた韓国映画からはあまり感じられないからだ。「ユリョン」や「火山高」みたいなものも、荒削りであってもすごく健全な勢いを感じるのだ。
しかも多面的な面白さが充満しており、見ていてすごく嬉しくなる。「映画って面白いなあ」とちゃんと思わせてくれるのだ。
あともうちょっといくと「韓国映画があれば、ハリウッドなんかいらねえや」と思えるほどになりそうな感じを、今日「殺人の追憶」を見て得ることができた。

さて、日本は・・・?
by k-tanaka

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